大賀先生は晩年を東京の府中市で過ごされました。先生の没後、残された蔵書は府中市に寄贈され、大賀文庫として府中市立中央図書館に保管されています。今回、府中中央図書館から「大賀文庫目録」を取り寄せ、ざっとですが目を通してみました。先生の学識の深さは知っているつもりでしたが、目録を見て蔵書の数とジャンルの広さにあらためて驚かされました。その範囲は自然科学はもとより、学問技芸のほぼ全域に及んでいます。
目録の『まえがき』によりますと、蔵書の総数は4000部(6000冊)だそうです。個人の蔵書としては相当な数だと思われます。学者としては当然の数でしょうか・・・
先生のお家は先の大戦の空襲で焼き払われ、家財蔵書はほとんど消失したらしいので、この蔵書は府中に移られてから集められたものと考えられます。もし戦火に見まわれることがなかったら、その蔵書は膨大な数になっていたでしょう。