桜燕館 -さくらつばめの気まぐれブログ-

日々の雑感と、たま~の旅日記。

桜燕日記 May 11, 2019

2019-05-11 | 桜燕日記
 大阪・読売テレビで平日の夕方に放送されている、かんさい情報ネットten.というニュース番組。お笑いコンビ・藤崎マーケットが街でさまざまなことをリサーチする、迷ってナンボ!というコーナーがある。

 昨日、その迷ってナンボ!で、店の常連が男性なのか女性なのかがわからない、という店員の依頼に基づき当該人物に確認する、という内容のVTRが放送された。当初は恋人の有無や下の名前を聞いたり、胸を触ったりしていたが、最終的には免許証を見せてもらい解決した、という。
 VTRが終わった後、番組コメンテーターのひとりで作家の若一光司さんが激怒。生放送でスタジオが静まり返る事態となった。若一さん曰く、たとえご本人がテレビに出ることを了解しているとしても、個人のセクシャリティに関してそういう(男性か女性かわかりづらい人の性別を知るために免許証を見せてもらうなどして確認するという)アプローチをすること自体が人権感覚、人権意識にもとる、と。

 若一さんの指摘はもっともだし、こういう依頼を取り上げて夕方のニュース番組の中で放映したかんさい情報ネットten.のスタッフの判断は誤っている。
 ただ、かんさい情報ネットten.のスタッフ、あるいは読売テレビに対して一方的に批判できるほどの立派な人権感覚が、私たち一般市民にあるだろうか。その点で、私には少し引っ掛かるところがある。

 そもそも今回のこの騒動は、店員が常連の客の性別を知りたがり、調査の依頼を番組に依頼したことが発端となっている。もちろん、依頼を断るというリテラシーが番組スタッフの側に欲しいところではあったけれど、他人の性別を知りたがる店員も下品な印象を受ける。
 しかしながら、この店員のように、中性的な見た目の人に対して、道でよく会うあの人は性別がはっきりしない、男性か女性か知りたい、などという余計な好奇心を持つ人は、決して少なくない。実際に、男らしくない男性、女らしくない女性に対しての差別やいじめなどの問題は、現在でも根強く残っている。

 他人を見た目で判断してはならない。また、他人の見た目はどうであれ、その人のことをいろいろ詮索してはならない。
 基本的な人権について、よりいっそう意識を高めていかなければならない。今回の騒動で、改めてそう思わされた。