あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

わたらせ渓谷鐵道わ89形わ89-101,302/大間々駅

2015-08-20 | 群馬県
鉄道会社にも、様々な形態があることはご覧の皆さんも承知されていることと思います。ことに第三セクター鉄道はあまり経営状態が良くない会社が多く、なかなか車両の保存まで手の回る会社はありません。しかしながら、ここ数年で引退した車両は、いわゆる“第一世代”の車両…つまり、路線の開業時から活躍してきた、会社にとっても思い入れの深い車両たちなのです。
今回ご紹介するのは、その様な思いが実り、現在も現役の車両達を見守る、“第一世代”の車両達です。



以前も紹介した、わたらせ渓谷鐵道の保存車両。ここでご紹介するのは、その第二弾です。
わたらせ渓谷鐵道の起点である桐生から列車に揺られて10分ほど行くと、大間々駅に到着します。ここには本社があり、また検修機能も備えているため、いわばわたらせ渓谷鐵道の中枢と言えましょう。
当駅からは「トロッコわたらせ」号」も発着しており、駅舎の脇に専用のホームが存在します。今回ご紹介する車両達は、このホームの隣に静かに佇んでいます。



ここでは、わ89-101とわ89-302の2両が保存されています。101は2013年に、302は今年3月に引退し、そのまま保存車両となりました。
わたらせ渓谷鉄道では、開業時にわ89-100、200、300の3種類の車両を用意していました。その内、100と200は当時まだ鉄道車両製造を行っていた富士重工が展開していた、「LE-Car」と呼ばれるシリーズの車両となっています。同型車にはいすみ鉄道のいすみ200'形や真岡鐵道モオカ63形、天竜浜名湖鉄道TH1~4形などがあります。
最後まで残った101でしたが、2013年3月に、後継であるWKT-511に置き換えられる形で引退。最終日にはさよなら運転を行い、有終の美を飾りました。



足尾駅にて、2013年3月31日。

その後、自走まで展示場所の脇まで移動し、クレーンにて現在の位置に設置されました。なお、引退直前に車体塗装を開業時のものに変更しており、現在もそのままの姿で保存されています。



しばらく101のみの保存でしたが、今年3月に302が引退すると、こちらも保存されることとなり、101と同じ線路上に設置されました。
302も同じく開業時から活躍してきた車両で、101とは違い「LE-DC」と呼ばれるシリーズに属します。LE-DCシリーズはバス部品を多用しているLE-Carシリーズよりも鉄道車両然としており、明知鉄道アケチ10形や信楽高原鉄道SKR300・310形などが同型車にあたります。LE-DCシリーズとしては最初期の車両であるため、現在も同型車が活躍する中、引退となりました。



最後の活躍をする302。運動公園付近にて、2015年3月24日。

引退後は屋根付きの展示場所で余生を過ごしています。イベント時には車内公開も行われる様で、今度は久々に車内にも入ってみたいなあと思いつつ、大間々駅を後にしました。

〈物件データ〉
設置場所:群馬県みどり市 わたらせ渓谷鐵道大間々駅横駐車場
公開時間:通年(車内はイベント時のみ)

撮影:2015年8月2日午前8時頃(特記除く)

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