蒲原鉄道シリーズ最後は、今までの中で最も状態が思わしくない車両かもしれません。
新潟県阿賀野市六野瀬、国道49号線と磐越道が交差する付近に、突如現れる大正モダンな建物群。これこそが、安田民俗資料館です。
敷地内には、開業時から1980年まで使用された一代目村松駅舎(写真)を始めとして、合計3棟の建物が移築されています。
そして旧村松駅舎の隣に設置されているのが、蒲原鉄道モハ51です。
モハ51は、1930年の開業時にデ13として製造された車両です。以前ご紹介した村松城址公園のモハ11と同形式として製造されており、モハ11形への改番も同時に行われました。
転機が訪れたのは1954年。モハ41の製造に際し、主要機器を同車の新製用に回し、モハ13にはモハ1の機器を載せ替えると言うなかなかの荒技(笑)が実施されました。このタイミングで、モハ13はモハ51へと再度改番され、廃車までその番号を維持することになります。
1985年の路線縮小時に、かつて同形式であったモハ11形2両と共に廃車となり、当地に保存されました。
現在安田民俗資料館は休館中となっており、建物や展示品、そしてモハ51自体も痛みがだいぶ進行しています。このまま朽ち果てていくだけなのでしょうか、今後が気になる車両です。
〈物件データ〉
設置場所:新潟県阿賀野市 安田民俗資料館(休館中)
公開時間:無し
撮影データ:2017年9月24日10時半頃