wonderwall

本と雑貨と手作りのブログ。

江國香織さんのエッセイ。

2008-01-09 | エッセイ
最近、読書メモを見返してみたら、去年読んだ本の数が34冊ありました。1ヶ月に2~3冊読んでいることになるのですが、紹介できてない本もいくつか・・・。なので今回は、その中から江國香織さんのエッセイを載せたいと思います。

まず、1冊目は「雨はコーラがのめない」という作品。変わったタイトルですが、「雨」というのは江國さんが飼っている犬の名前です。で、その犬の話がメインかと思いきや、そこに音楽の話が入っています。

それは、「雨」と江國さんが音楽好きであるから。犬が音楽を聴くというのは不思議ですが、江國さんの文章を読んでいると、「雨」の楽しんでいる様子がこちらにも伝わってきます。音楽のジャンルは洋楽が多いですが、時々、邦楽なども。尾崎紀世彦さんや世良公則さんなど、意外な名前も出てきて、興味深かったです。

そして、2冊目は「とるにたらないものもの」。こちらは、身の回りや思い出の中にある「もの」について、書かれています。「ものもの」の中には、「愛称」や「「けり」という言葉」、「日がながくなること」、「いいのだ、ということ」など、江國さん独特の言葉が並びます。

1番最初のエッセイは「緑いろの信号」というのですが、これは色あせた古い信号の薄緑のこと。確かに、そういう色の信号って見たことがあるけれど、それが好きだというところがとても江國さんらしいと思いました。

また、面白かったエピソードは、「生乳入り」の話。ある日、入院中の父が出されたヨーグルトに「生乳入り」と書いてあるのを見て、「なまちち入りなんていう気色の悪いものは、俺には食えない」と言ったそう(笑)正しくは何と読むのかよくわかりませんが、私も思わず共感してしまいましたっ。

江國さんの小説は、見た目や匂い、触り心地などの描写がとてもリアルだなぁと感じるのですが、普段から細やかな眼でモノを見ているからなんだと、この本を読んで思いました~。


江國 香織 / 集英社(2003/07)
Amazonランキング:160790位Amazonおすすめ度:




最新の画像もっと見る

コメントを投稿