ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

ラッセル&ケリケリ行3回目:ポンパリエ・ハウス後編

2015-11-10 | 旅行
昨日の続きでラッセルのポンパリエ・ハウスの話です。

ここで挫けたらイケナイ自分
がんばるんだ自分


今回はさすがにラッセル&ケリケリ旅行記の全クリ狙ってます
3ヶ月も前の話ですからね、いーかげん終えよーよ自分。
そのうち友人凸美がNZ再訪しちゃうかも
(※マイルがたんまり溜まっているそうなので)


印刷工場にしてカトリックのヘッドクォーターという異例の建物

19世紀前半の立派な建物といえば教会ぐらいなものなのに。


2階で本が作られている頃、1階の外では表紙が作られていました。

併設されている皮のなめし工房です。


タンニンにつけたり干したりで確か2、3ヶ月かかると言っていました。
(※うろ覚えですが、気候や気温も影響したのでは?)

今ではこの行程は化学薬品を使うので1日でできるそうです


できあがってきた皮革



これを叩いて延ばし



厚みなど体裁を整え



本の大きさに切ります。



それを中身に接着して



立派な皮表紙の本ができあがります。



これをマオリに無料で配り続けていました。

マオリは珍しい本を喜んで持って帰り大事にし
文字を学んだそうです。


本は聖書ではなく、カトリック的な価値観や暮らしぶりに関して

マオリを啓蒙し教化するために書かれたものだったそうです。


宣教師たちは1850年にここを去り、当時皮なめしを任されていた
キャラハン一家がここを購入して移り住み、なめし事業を続けました。
当時は英国軍が駐留していたので、兵士に皮の供給をしていたのです。
1858年に軍が去るとキャラハンは廃業し、1869年に亡くなりました。


キャラハン夫婦が亡くなった後、グリーンウェイ一家がここを買い

ボロボロになっていた家をファミリーホームに改装し
なめし工場跡はキッチンになりました。
家の周りにぐるりとベランダがつき、コロニアル調になりました。


1943年に国がここを購入し歴史的建造物として保全しようとしたものの
ポンパリエの住居と誤解して、根拠のない改装をしてしまったそうです。
庭もグリーンウェイ一家が造園したものをかなり壊してしまったとか。


1967年にNZ歴史名勝トラストが管理・保全に乗り出し、

ここがかつて印刷所であったことを発見
たった100年ちょっとでそこまで歴史が失われてしまうとは


1990年にトラストは建物が危険な状態にあると判断し
原状復帰と印刷所としての機能の回復を決定し全面改装に着手。

庭も1880~90年代の状態に復元されました。


確かにどこにも似ていない変わった庭なのです。



そういう経緯があったからなんですね



こんなレンガの使い方、見たことないです。



レンガを移動させれば簡単に作り変えられそうな、機動的な庭。



本当に当時も多肉があったんだろうか(笑)

元気はつらつな満丸顔のエケベリア


このレンガの使い方も変わっています。

ほとんど埋まっていて、なんだかもったいないような


白い道は砂利ではなく



貝殻が敷き詰めてあります。

目の前のビーチからいくらでも採って来れたんでしょう。


裏山も登ってみました。



海は目の前

「太平洋の災難」として悪名高かったラッセル
たった1年の短命だった首都
英国人たちがオークランドに去ると地元経済は急激に悪化し
その後には社会の混乱、貧困、戦争と、長い長い停滞が続きました。


ポンパリエたちもまた、たった10年ほどでここを後にし

オークランドへ向かいました。


英国に先駆けた植民地化というフランスの野望も
全国に版図を広げようとしたNZのカトリック化も

ともに潰え、NZは英領となり英国国教会が全国に広がっていきました。


徒歩数分のところにある英国国教会クライスト教会

1836年に建設されたNZ最古の教会


どこの植民地でも繰り返されたことですが、教会と国の二人三脚での
植民地化が手に取るように実感できます。
教会建設後4年でワイタンギ条約が調印されました。


ラッセルの栄枯盛衰を見つめてきたたくさんの歴史的建造物

ポンパリエ・ハウスもまたその一つとして静かに佇んでいます。



しかし、まぁポンパリエという人はラッセルといいアカロアといい

(※アカロアのポンパリエ老人ホーム)


風光明媚なところに好んで住んでいた(笑)

さすがバカンスの国のフランス人


アカロアにはフランス人墓地があり



ポンパリエ通りもありました



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