ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

無法地帯を行く

2011-05-04 | 経済・政治・社会
昨日のビンラディン殺害のニュースには言葉がありませんでした。
パキスタンという主権国家に侵入しての、「仇討ち」
21世紀に入ってもこんなことがアリだとは・・・・


まぁ、アフガンやイラクへの侵略も、ビンラディン探しを口実にした腹いせ行為が引っ込みがつかなくなって泥沼化したものとも言えるので、
「今さらなにを・・・」
なんでしょうが。


さらに驚いたのが、アメリカ国民のこれ見よがしの歓喜の様子。
オバマ大統領の「正義はなされた」発言にも絶句。
「自分がアメリカ人ではないから、身の回りに犠牲者がいないから、この感情がわからないのだろうか?」
と、思わず自問してしまいました。


テロ行為は言語道断の行為で弁護の余地は微塵もありませんが、それにアメリカという主権国家が無法地帯という同じ土俵で渡り合うとは。まるでテロ行為を正当化してしまうような自虐行為に感じてしまいました。
法など、無視してしまえばいい――


あれだけ大騒ぎした末に、それが何のためだったのかほとんど忘れかけた頃になって見つけ出されたサダム・フセインには、なんとか弁護士も付き、裁きを受けて処刑されました。


無法地帯を行くことを大統領自ら認めたアメリカに真の正義はないとつくづく感じました。力で押さえ込んだだけのひと時の勝利に酔っているのであれば、それはあまりに虚しい。


そんなときに、兄弟を9・11で亡くしたオーストラリア人が、
「アメリカ人が何をあんなに喜んでいるのか全くわからない。」
と吐き捨てるように言っているのをテレビで観て、同じボートに乗れなかった人がここにもいると、少しホッとすると同時に、苦渋に満ちた彼の表情が印象に残りました。


兄弟を亡くした苦しみはビンラディンがどうなろうが、決して癒されるものではないのでしょう。


先月行った南ワイカトのファカマルにて 









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