ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

原生林ウォーク

2011-04-20 | 旅行
今回の旅の一番の目的は、実はファーム・ステイではなく、
手付かずの原生林を歩くこと
でした!
コチラのツアーに参加しました)


この辺り一帯はポウアカニと呼ばれるマオリの一族が、その所有権を巡って国を訴え、30年間の訴訟を闘って取り返した場所なのだそうです。17ヘクタールの広大な土地は、複数のマオリ地主がティティラウペンガ・トラストという信託に供託した形をとる、私有地なのです。


なので、こんなに広くても自由に通り抜けできません。
(道もあまりないんですけどね!)

こんなに不便なところに用もなく来る人もいないでしょう


舗装されていない道の登り降りで、

四駆でないとキツイです。(かなり傾斜もあります)


一時は天気が荒れ、ブッシュ・ウォークどころではありませんでした。

けれど最終日は雲ひとつない晴天に


雨上がりの緑が本当にキレイでした。

牛や羊でなくても、この緑がだんだん美味しそうに見えてきました


ティティラウペンガは男神で、姉妹との仲たがいを父親のランギ(空の神)に戒められ、最後は仲良くなったきょうだい。

これはティティラウペンガが右を頭にして横たわっている横顔。
(一番高いところが鼻に当たります)


ブッシュ・ウォークまではピックアップトラックとジープの2台でGO



クルマ1台がギリギリ通れる幅ですが、絶対に予想外の対向車がないため、これでOK

環境保全のために農場で雇っている人などごく数人以外は住人がいません。
(2.5人で約千頭近い牛の面倒をみれるそう。スゴ~い!)





荷台に立って説明を聞く善(14歳)。
行きは善が荷台に陣取りました。

私有地なので荷台に人が乗って走行してもOK!
(なんだったら左ハンドルでも、車検を通ってないクルマでも走行可


「最後のトイレまで240キロ」



実はその横に
「最後のトイレ」が・・・



日曜大工のような造りの味のあるトイレで、中がコンポストになったエコトイレでもありました。





それでも窓にはこんな可愛いステンドグラスが

思わずトイレ内でパチリ


歩き始めてすぐに出くわした巨木。NZ原生のトタラ。

ゆうに樹齢千年以上だそうです。


どうやってもカメラに収まりません

まるでトトロの木。


これはトタラにNZ原生のラタの木が取り付いたもの。

右側の真っ直ぐ上に伸びているのがトタラの枝。
しかし、左側の下に伸びている細い枝はラタという別の植物。

ラタは空中を飛んで好みの木(トタラが多いそう)に寄生し、
徐々に枝を下に伸ばし、地面に着くやそこから根を生やし、
いつしかすっぽり元の木を覆ってしまうそうです




この間、な~んと、
数百年

取り付かれているトタラも千年木だったりするので、
なんとも気の遠くなる話。



これはすっかり包まれて、今やラタの木となってしまった元トタラ。

大きく割れた穴の中にかつてのトタラがあり、穴の上奥に少し残るトタラ。


この穴は人間が中で立てる大きさ。

フラッシュをたいて写真を撮ると、ずっと上まで空洞なのがわかります。
この朽ちた部分はトタラだそう。

ラタとなってからも、また千年以上生きるのでしょうか?
「興味があったら、2、300年後に戻ってきたら?」
と言われました。(生まれ変わらなきゃ


ファームのベッドサイド・スタンドに使われていたトタラの木。

もちろん伐採禁止種なので、嵐や寿命で自然に倒壊した木は貴重です。


他にも覚えきれないほどたくさんのNZ原生植物の面白い話を聞きました。
う~ん、メモ帳とペンを持っていくべきでした
歩くだけじゃ、もったいない



歩いた後はトイレがあった休憩所(ステキな五角形の建物だったのに写真を撮り忘れました)に戻り、ランチタイム~

パンに好きなフィリングを挟んで思い思いのサンドイッチを作って、
いただきま~す

「ご飯命!」
で普段パンを食べない善ですら、勢いに乗って4つも食べたそう
素晴らしく美味しい森のお食事でした。


帰り道は夫とワタクシが荷台へ

ゴトゴトガタガタゴトゴトガタガタ



最高~の乗り心地
(足出演:夫  ワタクシのは短くて写らない~



サヨナラ、ティティラウペンガ

また会う日まで。


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