医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

かむ力がアップすると認知症が改善する?〈週刊朝日〉

2014-07-07 20:56:10 | 歯科

dot. 7月7日(月)7時12分配信

 いま歯科医療の現場で、歯の健康が全身の健康と関係していることが明らかになりつつある――。なかでも、かむ力の回復は食べることだけでなく、歯を通して脳に刺激が行き、記憶ややる気の回復にもつながるという。

 松野スミさん(仮名・93歳)は4年前の初診当時、認知症が進行し、ぼーっとしてただ座っているだけという状態だった。他院で作った入れ歯が合わず、軟らかいものしか食べられなかったため、大分県佐伯市で開業する河原英雄歯科医師が新しい入れ歯を作り、かむトレーニングをした結果、何でも食べられるようになり、認知症も改善。9カ月後には、息子とともに地元のカラオケ大会に出場した。

 40年前にじん肺(粉塵やアスベストなどを吸い込むと起こる肺の病気)患者に認定された高橋忠さん(仮名・78歳)は、呼吸困難などが悪化し、07年には両肺が重症の気胸になった。気胸は肺に穴が開いて空気が漏れてしまう状態で、半年間入院して治療を受けたものの、退院後は24時間酸素吸入が必要。さらに歯がボロボロでかめないため、体重は38キロまで落ちていた。

「主治医に『食べられないままだともっと痩せちゃうから、すぐに歯医者に行きなさい』と言われてね」

 と高橋さん。河原歯科医師の診察を受けにきたときは、歩くのもやっと。酸素吸入器を手放せないため、10カ月かけて慎重に治療した。

 歯の治療が終わり、かめるようになると、妻が栄養のあるものをたくさん食べさせたこともありメキメキと回復。1年6カ月後の定期検診では体重が11キロも増えた。栄養状態を示す総たんぱくやアルブミンの値も基準値に達したという。スタスタと歩いて私たちの前に現れた高橋さんは、

「今は肉がおいしくてね。酸素吸入器なしで階段も上れるし、自分で車を運転してカラオケに行けるようになりました」

 と笑顔で話してくれた。河原歯科医師が「今の元気な姿からはとても想像ができないでしょう」と、初診当時の記録映像を見せてくれたほどだ。高橋さんは誇らしげに歯を見せながらこう言った。

「ほら、きれいでしょ。昔は歯みがきもいい加減だったけど、今は時間をかけてするようになりました。大事な歯だからね」

 なぜ、かめるようになると、からだまで元気になるのだろうか。

「かんでのみ込む『咀嚼(そしゃく)』を含めた、『食べる』という一連の動作は、さまざまな器官を使う高度な作業です。近年、脳にたくさんの刺激を与えることが明らかになってきました」と、河原歯科医師は言う。

※週刊朝日  2014年7月11日号より抜粋

紹介状なく大病院」負担増 初診時3000~1万円に

2014-07-07 13:55:30 | 医療と介護

厚労省方針、診療所への移行促す

日経新聞 2014/7/6 1:30



 厚生労働省は、紹介状を持たずに大病院に来る患者が窓口で払う負担額を通常より高くする方針だ。全員に約3千円~1万円の定額負担を課す案が有力だ。大病院に軽症の人が集まるのを防ぎ、大病院が救急など本来の役割に専念できるようにする狙い。初診時だけでなく再診時にも負担を求める。2016年4月の診療報酬改定に合わせ、16年度の導入を目指す。

http://www.nikkei.com/content/pic/20140706/96958A9C889DE5E1EAE7E6E2E6E2E2E7E2E5E0E2E3E69C9CE3E2E2E2-DSXDZO7385405005072014NN1000-PN1-2.jpg <javascript:void(0)>

 7日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で議論を始める。年末までに中身を詰め、15年の通常国会に関連法案を提出する見通しだ。

 ベッド数200床以上の大病院は全国に約2600ある。現在も大病院は紹介状を持たずに来た患者から特別料金を徴収できるが、徴収するかどうかは任意で、実際に取っている病院は約1200と半分足らずだ。残る約1400の病院では紹介状を持たない患者も通常の初診料(3割負担の人は846円、1割負担の人は282円)を払う。

 風邪など軽症の患者の診療に医師や看護師が忙殺されると、救急や重篤な患者の診療が手薄になりがちだ。この弊害をなくすため、紹介状を持たずに大病院に来た患者には必ず一定の負担を求めるようにする。

 定額負担は3つの案がある。当初、浮上したのは、初診時に1万円、再診時に5千円の特別料金を払う(1)案で、日本医師会はこの案を支持している。(2)案は初診時5千円、再診時2500円の特別料金だ。(3)案は通常、患者が1~3割だけ負担する初診料(2820円)と再診料(720円)を全額、患者負担とする。現在、厚労省は(1)案、(2)案と比べ患者の負担増が緩やかなこの案を有力と見ている。

 紹介状なしで大病院にかかる負担が重くなれば、念のためといった理由で大病院に行く人は減り、近所の診療所を受診するようになる。過剰受診を減らし、医療費の増加を抑える効果がある。大病院は救急患者や、かかりつけ医から紹介される重篤な患者への高度な診療に専念しやすくなる。

 患者が新たに大病院で払う定額負担を公的保険で賄う医療費の財源に回すか、大病院の収入とするかは今後、検討する。

 厚労省は7日の医療保険部会で、入院中の食事代を現行の1食260円から460円に上げる案を軸に入院患者の負担を増やす案も示す。患者負担を除いた医療給付費は13年度の36兆円から25年度には54兆円と1.5倍に増える見込みだ。


STAP現象の検証計画 理研・小保方氏は1人で実験を実施

2014-07-07 13:52:49 | 医療と介護


研究室は24時間監視体制




日経メディカル 2014/7/2  久保田文=日経バイオテク <http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/author/a053.html>

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)特別顧問の相澤慎一氏と、理研神戸事業所長の齋藤茂和氏は2014年7月2日、CDB内で会見を開き、CDB研究ユニットリーダーの小保方晴子氏が参加する「STAP現象の検証計画」について詳細を説明した。

 検証計画は、相澤氏を実験総括責任者、多能性幹細胞研究プロジェクトリーダーの丹羽仁史氏を研究実施責任者として、2014年4月から実施されている。小保方氏は当面、2014年7月1日から11月30日の5カ月にわたり検証計画に加わる予定。ただし、丹羽氏のチームとは別に、小保方氏が1人で実験を行う。

 小保方氏を検証計画に加えることについて相澤氏は「税金を使ってまでやることではないという批判があるのは承知している。ただ、科学的に『STAP細胞はない』と言い切ることに、全く疑義がないというわけでもない。最終的には本人が参加して決着をつけるのが、科学研究としては最善なのではないかと考えている」と話した。

 検証計画の内容については、既に理研の研究不正再発防止改革推進本部(本部長は理研の野依良治理事長)が承認済み。小保方氏は実験手技の確認など準備段階を経てから、本格的に実験を始める見込みだ。相澤氏は、「小保方氏は、すぐに実験ができるような精神状態ではない。生活環境を整えたりするのに1~2カ月程度はかかるだろう。3カ月目あたりから本格実験ができるようになればと期待している」と話した。

 本格実験は、週内にも準備が整う予定の新たな研究室で行う。研究室には出入口に1台、実験を行うスペースに2台のカメラを設置し、室内を24時間モニタリングする。電子カードで入退室を管理するほか、培養器などには施錠を行う。準備段階から理研内部の第三者が常時立ち会う。本格実験の段階以降はさらに、改革推進本部が指名する外部の研究者も、第三者として必要に応じて実験への立ち会いやカメラや入退室記録のチェックを行う。「これ以上はできないのではというレベルの透明性」(相澤氏)を確保する。

 実験に使う組み換えマウスの提供やSTAP細胞由来のキメラマウスの飼育などは、丹羽氏のチームに対してと同様、相澤氏のチームが行う。小保方氏、丹羽氏が実験に使用するのは、B6系統、129系統のマウスと、それらを掛け合わせたF1マウスで論文と同じものだ。

 実験では、(1)マウス組織からOct4-GFP陽性細胞の出現、(2)Oct4-GFP陽性細胞のキメラマウス形成能とテラトーマ形成能、(3)STAP細胞からのSTAP幹細胞の形成能、(4)STAP幹細胞のキメラマウス形成能とテラトーマ形成能、(5)STAP細胞、STAP幹細胞が最終分化細胞から形成されるかどうか――の5項目を検証する。当面は、Oct4が発現するとGFPが発光する組み換えマウスの脾臓などを使って実験。テラトーマ形成能やキメラマウス形成能が確認されればその後、肝細胞や心筋細胞など組織特異的にマーカーを導入した組み換えマウスを使ってSTAP細胞やSTAP幹細胞を樹立し、最終分化した細胞が酸処理によって多能性を獲得するかどうかを確認する。

 これらの項目がどこまで検証されたかによって、検証計画の終了可否を判断する。仮に11月になっても準備段階で本格実験に進めていない場合や、Oct4-GFP陽性細胞の出現すら確認されない場合は、その時点で実験を終了する。また、Oct4-GFP陽性細胞は出現するものの、出現頻度が低くその後の実験ができない場合や、Oct4-GFP陽性細胞は一定程度出現するものの、キメラマウスの作製もテラトーマの形成も認められず、多分化能が確認できない場合は、2014年度末で実験を終了する。

 ただ、ある程度までSTAP現象が検証できた場合、理研の改革推進本部に経過と結果を報告して継続の可否の判断を仰いだ上で、2015年度以降も検証を続ける可能性はある。具体的には、テラトーマは形成するものの、キメラマウスは作製できない場合や、テラトーマ形成もキメラマウス作製も可能なものの、STAP幹細胞の形成ができない場合、テラトーマ形成もキメラマウス作製も可能なものの、分子マーカーを導入した最終分化細胞からはSTAP細胞・STAP幹細胞の樹立ができない場合などが考えられる。

 小保方氏の実験結果は、2014年11月をめどに公表する。なお、丹羽氏が進めている検証計画のこれまでの経過については「まだ途中段階で結論がついていないので、うまくいっているかどうかなどを含め、明らかにはできない。ただ、現時点でキメラマウス形成能を見る段階にいっていないのは確か」(相澤氏)と述べるにとどめた。丹羽氏のチームの実験結果は、2014年中に中間発表される見通しだ。

 現時点でのSTAP細胞の有無について見解を問われた相澤氏は「あるかどうかは分からない、というのが正直なところだ。検証計画では実験は行うが、途中で終了するなどした場合、『STAP細胞はなかった』と結論付けるまではしないだろう。そうした結論は、専門家の意見を聞いた上で、改革推進本部が出すのではないか」と述べた。


自動体外式除細動器AED今年7月1日で解禁から10年

2014-07-07 08:04:52 | 編集スクランブル
★外国の防衛それ自体を目的とする、いわゆる集団的自衛権は、今後とも認めない。
憲法上、許される自衛の措置は自国防衛のみに限られる。
★集団的自衛権:国民の理解が進んでいない。
誤解もあるだろう。
★脱法ドラック:鑑定待ち2000件以上。
鑑定に2~3か月かかる。
都内68店舗で脱法ドラック販売。
★自動体外式除細動器AED今年7月1日で解禁から10年。
いまだ半数以上が、救急隊が到着するまで何も手当てされていないのが実情。
心臓突然死が年間約7万人。
★胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAEDの電気ショックによる除細動。
★2011年9月に埼玉県の小学校で駅伝の練習中亡くなった桐田明日香さんの事例は、救急隊が到着するまで11分。
学校関係者は約2週間前、救命講習を受けていたにもかかわらず、誰も対応しなかった。
★通報を受けてから、救急車が現場に到着する所要時間は全国平均で8・3分。
神戸市は9年前からAEDマップを活用している。
24時間営業のコンビニを、いつでも誰でも使えるAEDの拠点に。
全国で最も早かったのは静岡県三島市。次いで神奈川県大和市。
★大阪の前重奈緒さん(54)はAEDが市民に解禁される1か月前の2004年5月27日、当時17歳だった長男の響君を心臓突然死で亡くした。
「あの時、AEDがあれば・・・」と何度思ったかしれないという。
★兵庫県川西市の森田多美子さん(54)は、1昨年の12月31日、JR環状線京橋駅のホームで心室細動起こし、たまたま近くにいた看護師2人にAEDと心臓マッサージを受け一命を取り留めたという。
★救命率を上げるには、AEDと心臓マッサージのセットで取り組むこと。
岸和田市の岡利次さんは、救命救急士になって2年目の2007年4月、岸和田市の高校で野球の観戦中、胸に打球を受けて心停止になった高校球児を、胸部圧迫とAEDを使って奇跡的に救命した経験の持ち主。
「たまたま休みで息子と一緒に野球観戦に来ていた時に、事故に遭遇した。
★日本のAED設置数は、世界でも屈指。
救命への意識と技術の浸透が求められる。
「目の前で人が倒れたら、応急手当てをするのが当たり前、AEDを使うのが当たり前の社会をつくりたい」総務省消防庁の鈴木真也救急企画室主査。