出かけて事務所に立ち寄ったあと区役所わきのさくら通りを通って帰りました。
うすいピンクのこんもり感がちょっと不足、8、9分咲きでしょうか。
歩道には花を愛でる人たちがちらほら、中には早くも一杯組も。
冒頭の写真は近くの家にある一本桜。
桜の樹といえば四方八方に枝が伸びているのが特徴です。
ところがこの桜には横に伸びた枝がほとんどありません。
いつの頃か憶えていませんが、枝を切り取られてしまったのです。
枝が歩道にまで伸びて邪魔になったのか、枯れてきたからなのか。
理由はさだかではありませんが、その姿を最初に見た時は、あらら、という感じでした。
桜切るバカ、梅切らぬバカ、という言葉があります。
その時は、これじゃ花が咲かなくなるのでは、と心配しました。
ところがどっこい、毎年見事な花を咲かせます。
お花茶屋には1つの伝説があります。
鷹狩に来た将軍吉宗(家光という説も)が突如の腹痛を起こした。
近くの茶屋に担ぎ込まれて、そこの娘のお花から手厚く介抱された。
こうした伝説はあちこちにあるようです。
そして、将軍に見初められて、お側に仕えることに・・・・というパターンが多い。
でも、お花のその後がどうなったかは何一つ知られていません。
実は、その後間もなくお花は病んで死んでしまったのです。
病は昔でいうところの恋わずらい・・・・もちろん恋焦がれた相手は将軍さま。
でも、身分違いの恋が叶うはずもありませんでした。
娘の両親は、想い叶わぬまま死んだ娘を不憫に思いました。
せめて自分たちがそばにいてやろう、と茶屋の傍らに娘の亡骸を埋めました。
それから数年、娘を埋めたところに一本の桜の樹が生えて来たのです。
やがてその樹は毎年美しい花を咲かせるようになりました。
これほど美しければ、きっと将軍さまのお目にとめてもらえるでしょう・・・・。
きっと、お花のそんな想いが乗り移ったのだろう、と村人たちは噂したそうです。
茶屋があったと云われているのが、この一本桜のあたりです。
ちょっとズームで近づけて撮ってみました。
並の桜と違って、たしかに花姿もよく気品があります。
あちこちに桜は一杯咲いていますが、なぜか、この一本桜がいちばん気にいっています。
というわけで、お花その後の伝説を勝手に作ってしまいました。
読んだらボタンをポチッと押してね!