夕陽の射すなか、歩道の植え込みにコスモスが咲いていました。
え~っ、もう咲き出したの?
この暑さ、コスモスも季節感が狂ったのかもしれません。
コスモスは秋のイメージ。
せれでもいちおう調べてみたら、夏から秋にかけて咲く、とありました。
気の早い?コスモスなら、もう咲いてもおかしくないのかもしれません。
コスモス(kosmos)はもともとラテン語で、宇宙のことを表します。
整然と秩序だった調和のとれた世界のことです。
それがどうして花の名としてネーミングされたのでしょうか?
そこに宇宙を見たから?・・・・残念ながら調べてもわかりませんでした。
宇宙のコスモスの対語は、カオス(khaos)でこれもギリシャ語。
コスモスの秩序に対して、無秩序で混沌とした状態がカオスです。
現役の頃、こんなことがありました。
某銀行のシステムを新しく更改した時のことです。
年始の休みを利用しての徹夜作業になるのが普通です。
そして、移行本部という臨時組織を作り、そこで全体の作業を統制します。
その本部の部屋にかけられた看板が「Khaos本部」。
これを無秩序本部とか混沌本部とかいってはいけません。
実はKhaos(英語だとChaos)は、「天地創造」を表す言葉でもあるのです。
天地未分明の状態から、神が言葉を発して整然としたコスモスを創ったというわけです。
某メーカーSEの発案でしたが、彼、仕事でもいいセンスをしていました。
いまごろ、どこでどうしているでしょうか?
カオスの対語にはコスモスのほかにシステムという言葉もあります。
ある目的のために秩序立てて作られた統一的な体系や組織のことをいいます。
とはいえ、人のなすこと、すべてがシステマチックというわけにはいきません。
システムの中のカオス、カオスの中のシステム。
これらが混ざり合っていることこそ、人が生きていることの在りようなのではないかと・・・・。
コスモスを離れし蝶に谿(たに)深し 水原秋櫻子「葛飾」所収
読んだらボタンをポチッと押してね!