今回は2ヶ月分の観た映画の評価と簡単な感想を書きます。3月は14本、4月は11本の映画を観ました。
この2ヶ月間の私の生活はゲームの『ダークソウル2』優先の生活(中毒状態)でしたが、私の生きる糧の映画部門は週末の夜中心の趣味なので影響は受けなかったようです。この調子でいけば、今年も年間目標の100本はクリアできそうですね(4月末までに観た映画は47本です)。
さて、3月と4月に私が観た作品は以下の通りです。本家のアカデミー賞にノミネートされていた作品(候補の噂があった作品含む)や私が好きな映画の続編等の魅力的な作品の公開が続いていたので、中毒状態の『ダークソウル2』のプレイを一旦中止して映画館に足を向けたのも当然ですね。
1.ホビット 竜に奪われた王国 ・・・ ☆4
2.魔女の宅急便 ・・・ ☆3
3.キック・アス2 ジャスティス・フォーエバー ・・・ ☆3
4.偉大なる、しゅららぼん ・・・ ☆3
5.ネブラスカ ・・・ ☆5
6.銀の匙 Silver Spoon ・・・ ☆3.5
7.それでも夜は明ける ・・・ ☆4
8.グランドピアノ 狙われた黒鍵 ・・・ ☆3
9.アナと雪の女王 ・・・ ☆4
10.ローン・サバイバー ・・・ ☆4
11.ロボコップ ・・・ ☆5
12.LIFE! ・・・ ☆4
13.ワンチャンス ・・・☆3
14.白ゆき姫殺人事件 ・・・ ☆3
15.チーム・バチスタ FINAL ・・・ ☆3
16.サンブンノイチ ・・・ ☆3
17.ウォルト・ディズニーの約束 ・・・ ☆3
18.クローズEXPLODE ・・・ ☆3
19.アクト・オブ・キリング ・・・ ☆4
20.8月の家族たち ・・・ ☆3
21.キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー ・・・ ☆3
22.クローズZERO ・・・☆3 ※ブルーレイで鑑賞
23.クローズZEROⅡ ・・・ ☆3 ※ブルーレイで鑑賞
24.アメイジング・スパイダーマン2 ・・・ ☆3
25.テルマエ・ロマエ2 ・・・ ☆3
まずは、表題に挙げた『アクト・オブ・キリング』ですが、雑誌やネットで評判のドキュメンタリー映画でどうしても観たかったので、有給を取って渋谷のミニシアターまで観に行って来ました。月曜日の朝一番の回でしたが満員で立ち見も出ていました。評判通りの盛況ぶりでしたね。休日にも関わらず私はいつも通りの時間に家を出て、1時間以上前から並んでチケットを買ったので座って観る事ができましたが、ネットで事前チケット購入ができない東京の映画館は埼玉在住の映画好きの私には地理的に厳しいですね。
『アクト・オブ・キリング』は、インドネシアで1965年から66年にかけて行われた100万人以上の大虐殺の加害者達を描いたドキュメンタリーなのですが、その加害者達に、「当時の行動を映画化しないか。自分達で演じてみないか。」と監督が持ちかけて話が進むかなり異色な展開です。その加害者達は今のインドネシアでは英雄扱いされているので、最初は自分達が過去に行なった数えきれない殺人を嬉々として自慢げに話し演じているのですが、映画の撮影が進むにつれて彼らに起きてくる変化に目が釘付けになります。こんなドキュメンタリー映画は初めてですね。ここ数年観た映画の中でも衝撃度はかなり高かったです。内容が内容だけに観るのには覚悟はいりますが、多くの人に観て頂きたい作品なのは間違いないですね。途中で加害者の1人が語る言葉は現在の世界が抱えている矛盾を的確に突いているので色々と考えさせられました。
本作は当時の加害者達だけでなく、その取り巻き連中が現在のインドネシアで行なっている悪行も描いているので、観終わった後はインドネシアに対するイメージがかなり悪くなってしまいました。一部の話だと思いますが、政治家と暴力団(自称:自警団)とマスコミが癒着して昼間から恐喝行為を行なっている上に、一般市民も選挙の時に候補者に当たり前のように金銭を要求しているので、「こんな国は恐ろしすぎる。今の日本に生まれた私は幸せだ!!。」としみじみ思いながら観ていました。ちなみに、本作の公開によってインドネシアの人達も衝撃を受けて、色々な変化が起きているらしいので、今後のインドネシアの変化には注目ですね。
次はアカデミー賞関連(候補の噂があった作品含む)の、『ネブラスカ』、『それでも夜は明ける』、『アナと雪の女王』、『ローン・サバイバー』、『LIFE!』、『ウォルト・ディズニーの約束』、『8月の家族たち』の7本ですが、本家のアカデミー賞の作品賞はアメリカの奴隷制度を描いた『それでも夜は明ける』が受賞しましたが、私が昨年から観てきた候補作品の中では、少しボケてきた高齢の父親と息子を描いたロードムービーの『ネブラスカ』が一番良かったです。
同じように☆5つをつけた『キャプテン・フィリップス』と『ダラス・バイヤーズクラブ』も秀作だと思っていますが、上映後の清々しさ感では『ネブラスカ』が一番ですね。何か特別な出来事が連発する作品ではありませんが、「映画って本当にいいなぁ。」と素直に思えましたね。妄想癖のある少し後ろ向きな性格の雑誌の編集員の成長を描いたベン・スティラー主演の『LIFE!』は☆4つですが、『ネブラスカ』と同様の清々しさ感を得て劇場を後にする事ができました(☆1つのマイナスは話が少し長くてクドい感じだったので)。この2本はお奨めです。
本家のアカデミー賞を受賞した『それでも夜は明ける』と、アフガニスタンのアメリカ軍の戦闘を描いたマーク・ウォールバーグ主演の『ローン・サバイバー』は凄まじい話の展開に引き込まれる秀作なのは間違いないのですが、「大変でしたね。助かってよかったですね。良い人に出会えましたね。でも他の人達は・・・。」と言う私にはすっきりしない終わり方をするので、☆5つはつけれませんでした。物語の背景がヘビー過ぎて、観終わった後に虚無感が残ってしまいます。
エマ・トンプソンとトム・ハンクス主演の『ウォルト・ディズニーの約束』と、メリル・ストリープとジュリア・ロバーツ主演の『8月の家族たち』の女性が主人公の2作品は名優達の競演で、これまた素晴らしい作品なのは間違いないのですが、登場人物達の個性が強すぎて途中からドン引きしてしまうのと、話が暗いのであまり好きにはなれませんでした。演技は素晴らしいのですが、「もう一度観よう。」と言う感情は私には発生しないような気がします。女性が観ると意見は違うかもしれませんね。
ディズニーのアニメの『アナと雪の女王』に関しては、3月に字幕版(英語版)を観て、松たか子さんの歌が評判だったので4月に日本語版(吹き替え版)を観ました。短期間で同じ作品を2回観に行くのは久しぶりですね(松さん以外の配役は知らずに観たのですが、アナ役の神田沙也加さんの吹き替えと歌の上手さには驚きました)。3月に観てからは今でも気が付けば主題歌の『LET IT GO』の「レリゴー!!、レリゴー!!」の部分を口ずさんでいます(「ありのぉ~、ままぁ~にぃ~。」もいいですけどね)。英語版と日本語版の両方が入った2-DISC DELUXE EDITIONのサントラCDを先日購入したので、ゴールデンウィーク後半は聞きまくっていました。『生まれてはじめて』も良い歌ですね。
そんな本作ですが、評価が☆1つマイナスになったのは主人公のアナが、いい言い方をすれば『天真爛漫』、悪い言い方をすれば『思慮不足、尻軽』に思えてしまったからです。王女としては少し軽すぎます(その軽さのおかげで話が進むのですが・・・)。まぁ、本作が『マイアカデミー賞2014』の『アニメ作品賞』と『音楽賞』の有力候補にノミネートされたのはアナの活躍のおかげですけどね。
『音楽賞』関連だと、イライジャ・ウッド主演のサスペンス映画の『グランドピアノ 狙われた黒鍵』と、オペラ歌手になる夢を持つ男性の成長を描いた『ワンチャンス』の2本も音楽が良かったですね。
ただし、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』は、「コンサートの演奏中に犯罪に巻き込まれるピアノ奏者の話ってスリリングで面白いよね。」と言うアイデアは素晴らしいのですが、それ以外の話の展開がイマイチ弱くて盛り上がりに欠けた感じでした。話の舞台が限定され過ぎるのも考え物ですね。優れたアイデアの1本だけで勝負したのは少し無謀でしたね。
『ワンチャンス』も音楽は素晴らしいのですが、主人公の性格や容姿にイマイチ感情移入する事が私にはできなくて盛り上がれませんでした。オペラ好きの人が観たら感想は違うかもしれませんね。
次は私が前作を好きだったシリーズの続編(リメイク含む)の、『ホビット 竜に奪われた王国』、『キック・アス2 ジャスティス・フォーエバー』、『ロボコップ』、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』、『アメイジング・スパイダーマン2』、『テルマエ・ロマエ2』の6作品ですが、リメイク版(リブート版とも言うそうです)の『ロボコップ』の出来の良さが頭1つ飛び出ていましたね。
『ホビット 竜に奪われた王国』も期待以上の出来だったのですが、三部作の真ん中の二作目と言う事で、一番盛り上がった場面で終わってしまうのは残念でしたね。中途半端感が凄いです。『テルマエ・ロマエ2』は前作同様最初から最後まで笑いっぱなしでしたが、終わった後には何も残らない感じまで同じでした。
☆5つをつけた『ロボコップ』はオリジナル版も大好きですが、今回のリメイク版も特撮や舞台設定が今風に直されているだけでなく、前シリーズ同様に社会風刺も利いているナカナカの秀作でした。サミュル・L・ジャクソンが演じる超右寄りのメディアの人間もGOODです。いかにもアメリカにいそうな強欲資本主義者の1人でしたね。
『キック・アス2 ジャスティス・フォーエバー』、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』、『アメイジング・スパイダーマン2』の3作品に関しては、悪役がイマイチでしたね。あれでは主人公(ヒーロー)が活きてこないですね。特撮(CG)が年々派手になっているのは嬉しいのですが、主人公を食うような悪役が出てくるシナリオでないと私は満足できない体質になってしまったようです。私をそんな体質にしてしまったサム・ライミ監督版の『スパイダーマン三部作』やクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト三部作』は罪作りなヒーロー映画ですね。
続編作品とは違いますが、「日本映画に新たなヒーロー映画誕生か。」と少し期待していた濱田岳さん主演の超能力映画の『偉大なる、しゅららぼん』は、予告編で想像していたのとは違うこじんまりとした作品で、少し期待していた内容とは違いましたね。注意深く映画を観ていればオチが早い段階で想像できてしまうのは残念でしたね。
上に挙げた『前作を好きだったので続編を観た作品』のパターンと違って、3作目を初めて観た東出昌大さん主演の『クローズEXPLODE』は予想以上に面白かったので、前作の小栗旬さん主演の『クローズZERO』と『クローズZEROⅡ』の廉価版のブルーレイを購入して観てしまいました。それにしても東出さんはスクリーンに映えますね(台詞回しが今後の課題ですね)。
3作とも、登場人物全員が高校生には見えないのと、「高校生が主役の学校を舞台にした映画なのに、先生は出てこないし、授業のシーンがほとんどないのはなぜ。」と半分笑いながら観ましたが、昔の任侠映画のように楽しめましたね。『クローズZERO』と『クローズZEROⅡ』では敵役の山田孝之さん、『クローズEXPLODE』では柳楽優弥さんが良い雰囲気を漂わせていました。
最後に残りの『魔女の宅急便』、『銀の匙 Silver Spoon』、『白ゆき姫殺人事件』、『チーム・バチスタ FINAL』、『サンブンノイチ』の5本の邦画に関してですが、どの作品も「可もなく不可もなく。」と言う評価です。ブルーレイ版が出ても観直す事はないと思います。
『魔女の宅急便』に関しては、アニメ版と比べて非難している意見が多いみたいですが、児童文学を原作とした子供向けの映画だと思うので、対象年齢から外れている私のような大人が重箱の隅をつつくような批判をしても意味はないと思います。子供が観れば充分楽しめる作品だと思います。
『銀の匙 Silver Spoon』は農業高校の事が丁寧に描かれていた良作でした。鑑賞後に本屋で原作漫画の1巻を思わず買って帰ってしまいました。続編があれば観に行くと思います。
サスペンス映画の3本に関しては、『白ゆき姫殺人事件』は警察がほとんど出ないマスコミ主導の物語展開は斬新でしたが、盛り上げた割には終わり方があっさりだった点が不満です。井上真央さん演じる主人公は地味な設定にしては美人過ぎます。
『チーム・バチスタ FINAL』に関しては、「医療関係の描き方はさすが!!。」、と思った反面、終盤のコンピューター関連の描き方が、「ちょっと適当じゃないの。犯人が凄腕ハッカーには見えないんですけど・・・。」と最後の最後で合点がいかない点が出たのは残念でした。そこまで面白かったので、終盤の展開は勿体なかったですね。
品川ヒロシ監督の『サンブンノイチ』に関しては、シナリオも凝っていて、どんでん返しの連続で途中までは面白かったのですが、どんでん返しと無駄なお笑いが多すぎて疲れてしまいました。終盤では、「もういいよ。早く終わって下さい。」と祈りながら観ていました。引っ張りまくった割には残念なラストでしたしね。まさに『過ぎたるが及ばざる如し』を体現した映画でした。それにしても、主役の藤原竜也さんはクズ人間の役が多いですね。真面目な役を演じる藤原さんを観てみたいです(たまたま私が観た作品だけがそんな役なんだと思いますが・・・)。
以上、2ヶ月分なので長くなってしまいましたが、3月と4月に観た映画の簡単な評価と感想でした。
5月は観たい映画の公開が少ないみたいなので、生きる糧の映画部門は少し寂しくなるかもしれませんね。
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