ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

三谷映画は安心 ~ ザ・マジックアワー ~

2008年07月01日 | 映画
 週末に川崎で、三谷幸喜監督(脚本も)&佐藤浩市主演の『ザ・マジックアワー』を見てきました。

 三谷作品はハズレがないので、唯一私が監督名で毎回見に行く映画ですね。今回もハズレませんでした。さすがです。2割くらいの入りの映画館で大笑いさせてもらいました。「映画はシナリオとキャストが重要だ」と再認識しましたね。
 コメディ映画としては、私が一番好きな『サボテンブラザース』に設定が少し似ていたので、更に楽しめました。

 ストーリーは、映画の撮影と思い込んでいる売れない俳優が、本物のギャングの中に入って色々な事を繰り広げるコメディなのですが、主演の佐藤浩市さんの演技が見事でした。怪演ですね。
 特に西田敏行さんが演じるギャングのボスとの最初の対面のシーンの繰り返しの相乗効果には大爆笑でした。硬派のイメージが強かった佐藤さんが演じるから更に面白かったんでしょうね(実現不可能だと思いますが、高倉健さんも同じような役をやって頂けないでしょうか。凄いギャップで、とんでもない作品になると思うんですが・・。三谷幸喜脚本で、健さんと仲の良い北野武監督がメガホンを取ると言うのはいかがでしょうか?)。

 他のキャストに関しては、演技の上手い俳優さんしか出ていなかったので安心して見ることが出来ました。西田さんや寺島進さんや小日向文世さんは流石ですね。どんな配役でもキッチリこなします。あと、名前は伏せますが、劇中映画の配役も豪勢すぎます。

 他に印象に残ったのは、親子(?)を演じた伊吹吾郎さん綾瀬はるかさんです。
 水戸黄門の格さんのイメージがどうしても強い伊吹吾郎さんの顔のアップはスクリーンに映えますね。やはり時代劇を長く演じられている役者さんはキッチリしています。
 『僕の彼女はサイボーグ』で主演していた綾瀬はるかさんは、今回はしっかり者で真面目、そして秘めた恋心を持つ女の子を違和感なく上手に演じていたので、また好印象を持ちました。この調子で更に演技の幅を広げていって欲しいですね。次回作の『座頭市(ichi)?』が楽しみです。

 少し残念だったのは、準主役の妻夫木聡さんと深津絵里さんの2人です。
 あれだけ出演シーンが多かったのに、観終わった後に印象がほとんど残りませんでした。「この人はこの役にピッタリ」と思える他の配役と比較すると、なんとなく印象が薄い気がしました。2人とも好きな俳優さんなので少し残念でしたね。
 「具体的に理由を述べよ」と言われると困るのですが、なんとなく、そう思いました。なぜでしょうね?。

 と言うことで、とても笑わせてもらった『ザ・マジックアワー』の私の評価は☆4つの秀作です。
 前半が少し間延びしたのと、ラストの展開が予想の範囲内だったので、☆1つマイナスです。136分の長さを感じることはありませんでしたが、もう少し短くしても良かった気がします。前作の『有頂天ホテル』の方が全体的な完成度が高い気がします。

 以上が私の感想です。
 「三谷監督が宣伝に出過ぎ」と一部批判されていますが、自分の作った映画を多くの人に観てもらうために身体を張るのは立派なことだと思います。自分が作った映画の興行収入を気にしない文化人気取りの監督よりは好感が持てます。
 劇場の大スクリーンで見る本作の佐藤浩市さんの怪演は最高です。三谷監督は、この佐藤さんの演技を多くの人に観て欲しくて、いつも以上にメディアに露出したのではないでしょうか。佐藤さんは嬉しいでしょうね(それと同時に呆れていると思いますが・・)。
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