26日、安倍政権が復活した。このところずっと組閣人事の報道が続いていたが、名前が挙がる顔ぶれを見ていたら、何故か、小林旭の歌の題名『昔の名前で出ています』を思い出して笑ってしまった。有力候補と言われた人たちの顔ぶれは、第1次安倍政権当時から少しも変わっておらず、26日に発表された新内閣人事も、まるで昔の自民党政権当時を彷彿させるものであった。
安倍氏周辺は、人事構想について「閣僚や党役員には安定感ある実力者を配置し、首相官邸は信頼できる側近で脇を固める」と説明した。元首相に前総裁、また総裁選で戦った人たちまで、「人物重視、実力重視の人事」とご満悦だが、党内派閥からの異論で当初想定した顔ぶれやポストが二転三転するという迷走ぶりも見えた。
また、安倍首相と石破幹事長との仲は相当険悪だという報道もあり、若い安倍首相が、経験豊富な大物たちをどう使いこなせるか。派閥均衡人事が『船頭多くして船山に上る』ということにならねばよいがと願うだけである。
安倍首相は小泉元首相の政務秘書官を務めた飯島勲氏ら7人を内閣官房参与に起用した。実績豊富な大物を知恵袋として登用し、外交や経済政策を強化するとともに、官邸の重しとして「安定感のある政権運営」につなげる狙いがあるという。今度こそ安定した長期政権で、国民に約束した政策を確実に実施してもらいたいものである。が、もし安倍内閣の経済政策で、長期的な円安・株価上昇、デフレ脱却が実現したならば、民主党議員が如何に無能であったかということになるなあ。
昨日、新人議員らが初登院した。これまで、小泉チルドレン、小沢ガールズ、橋下ベイビーズと新人議員たちに付けられた名称は多彩だが、115名の自民党新人議員にはどういう名称がつくのか楽しみでもある。
安倍政権は選挙戦で、景気回復とデフレ脱却を主張してきた。経済政策は難しくてよく分からないが、景気回復は全国民の望むところである。物価上昇率2%を目標としているが、物価が上がれば高齢者には厳しい現実となる。年金収入だけの高齢者には物が安く買えるデフレの方が暮らしやすい。だが、景気回復のためには一定のインフレは必要であるらしく、働く世代のことを考えればやむを得ぬことである。
とはいうものの、唯一の収入源である年金がまた減額されるというのは辛い。11月16日成立の改正国民年金法により、本来より2.5%高い年金を減額することが決まり、来年10月分から、下図のように実施される。
私の計算が間違っていなければ、国民年金の場合、2012年には月額65,541円、年額786,492円あった年金が、2015年4月からは月額63,866円、年額766,392円、3年間で20,100円も少なくなるのである。それが3年間だけ実施され、4年目から元に戻るというのなら我慢もしようが、以後、ずっと減額されたままが続くのだから痛い。これまでも年額4,000円近く減額されており、今の財政状況では、この先も増えることは期待できないだろう。
本来なら、年金は毎年度、物価の変動に応じて支給額が増減調整されるのだが、自公政権が2000年度からの3年間、物価下落にもかかわらず減額を見送ったために、今回の措置が取られることになったのである。選挙の票が欲しくて高齢者に媚びた結果がこれで、それが自民党政権で実施されるというのも何やら因縁めいている。2014年4月から3%の消費増税が始まることになっており、年金減額に消費税アップ、おまけにデフレ脱却で物価が上がるという三重苦の時代がやってくるのだが、国民はどう評価するだろうか。
昔のように、子供が親の面倒を見るのが当たり前であった時代と違い、今は子供がいるから老後は安心とはいえないのである。親は自分の老後は自分で考えなければならない時代になっている。昔は足腰が弱くなって寝たきりになると、それこそ邪魔にされないまでも、気兼ねしながら小さくなって暮らさなければならなかった。が、介護保険制度ができてからは家族の負担も減少したし、第一、本人も気兼ねなく十分な介護が受けられるようになった。独居老人の私には、いい時代になって有難いと思うが、先立つものはやはり“お金”だ。お金がなくては生きられぬ世の中であるのは確かで、私が、もし強盗に出くわしたら、お金より命を差し出すね、きっと…。
北風が吹きぬけます。
衣服も価額破壊で、気の毒なくらいの値段がついていました
インフレになれば・・・ほとんど欲しい物もないので我が家は世間ほど影響ないかなぁ??
生活用品が上がれば、やはり少なからず影響します。
また円安で輸入品が高くなると、火力発電の燃料高で電気代が上がるでしょうね。
物価高になると、返って財布のひもが固くなるような気もしますし、給料がアップするまではなかなかでしょうね。
来年がいい年でありますようにと、切に願いますね。