MLBのマリナーズで活躍中の岩隈久志投手は今年4月、自らが発起人となり、農業生産法人越後ファーム株式会社(新潟県東蒲原郡)の協力のもと、日本の子どもの食の貧困を解決することを目的とした『アス食プロジェクト』を発足させたという。
かねてから子どもの貧困について尽力してきた岩隈投手は、すでに昨年、150万円分(1勝につき10万円分)の越後ファームのお米をフードバンクに寄付しており、フードバンクに登録されている全国の家庭に届けられている。そして、今年の春より正式に『アス食プロジェクト』を立ち上げ、今シーズンも1投球回毎に越後ファームのお米1万円分を寄付するという。
同プロジェクトは今後さらに賛同アスリートを増やし、活動の枠を広げていく予定とのことだが、その賛同者の第一号となったのが、大相撲尾車部屋の嘉風関である。嘉風関は、本場所1勝につき10kg のお米を寄付するそうで、両国国技館で開催された五月場所では10勝を挙げたため、100kgのお米をフードバンクに寄付したという。
岩隈投手は2008年に投手としての「三冠」を達成し、「沢村栄治賞」などを受賞している。が、楽天のエースとなるまでには、どん底の苦しい時代を経験しているというのは私も聞いたことがある。そうした苦労をした人間だからこそ他人の痛みが分かるのだろうね。
そうした彼の誠実な行い、着実な努力に対しての神のご加護だろうか、海の向こうから朗報が入ってきた。12日に本拠地セーフコ・フィールドで行われたオリオールズ戦に先発し、ノーヒット・ノーランを達成。日本人メジャー投手としては2度記録している野茂英雄(1996年9月=ロッキーズ戦、2001年4月=オリオールズ戦)に次ぐ2人目の快挙だという。すばらしい!
スポーツ選手によるこうした心温まる善意の話はこれまでもいくつか耳にしている。私のブログ(2006年11月)は、当時ソフトバンク所属の和田毅投手(現罪、MLB・カブス)の話だが、末尾に岩隈投手の名前も出てくる。和田投手は公式戦で1球投げるたびに10本のワクチンを贈ることを決め、勝利投手、完投、完封などでは本数を増加。2年間で合計10万580本のワクチンを寄贈、多くの命を救ったそうである。他にも何人かの選手がいるが、こうしたスポーツ選手の心意気には拍手喝采だ。
MLBで活躍するイチローは東日本大震災直後、義援金として1億円を日本赤十字社に寄付したという。この人は何事もにぎにぎしいのは嫌いなようで「無言実行」の人。公表されていないが、過去にもさまざまなチャリティー活動を行ってきたという。
一方、約161億2000万円という巨額な契約金でヤンキースへ入団したマー君。東日本大震災の翌年に沢村賞で獲得した300万円を宮城県南三陸の漁業団体に全額寄付したという話はネットで知った。だが、海を渡ってから聞こえてくるのは、家賃何百万円の豪邸や、プライベートジェット利用の話など、華麗なる変身ストーリーばかり。今でも東北への支援メッセージを発信しているが、具体的に目に見える何かをしたという話はとんと聞かない。若干26歳の若者の成功は喜ばしいが、家賃何百万円の豪邸だの、プライベートジェット利用だのという話を聞けば、ねたみ心の方が強くなってくる。年俸23億円なんて夢のような話、ほんの少しでも社会へ還元してくれれば、もっと応援するのだけどネ。ババは心が狭いのかネ。
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