害虫だからって舐めたらあかんぜよ！・・・

　「線虫」でがん検診？　尿1滴で？　うっそー！　だが、そういえば昔は、肩凝りの場所に針で小さな傷をつけ、そこにヒルを乗せて血液を吸わせると、よどんだ血液（於血＝おけつ）が除去され、肩凝りに効くと言われていたそうだから、あり得なくもない…か？
　体長約1ミリの線虫を使ったがん検査の開発に取り組むベンチャー企業が、尿1滴でがんの有無を8割以上の高確率で判定できるという安価な検査法「N－NOSE（エヌノーズ）」を、来年1月から実用化するという。検査費用は1回9800円。健康診断への導入を希望する企業や医療機関、自治体の申し込みを受け付けているそうだ。
　「線虫」は土壌などに生息する微小生物で、細菌やカビなどを食べて生活し、中には動物や植物に寄生し、栄養を吸い取るものもいるという。植物に被害を及ぼす虫たちの中で、農作物に大きな被害を及ぼすというので農家が最も嫌がる虫だそうだ。そんな害虫が役に立つんだからすごいね！　
　犬より優れた嗅覚で、がん患者の尿に含まれる特有のにおいに近づき、健康な人の尿からは逃げる性質を利用して判定する。がん患者1400人に実施した検査では的中率は約85％に上り、特にステージ0～1の患者は87％で判定できた。一般的ながん検査「腫瘍マーカー」よりかなり高確率という。
　体のどこかに腫瘍ができると、血液中や排泄物中に、たんぱく質や酵素、ホルモンなどの特別な物質が増えてくる。それを検出するのが「腫瘍マーカー」検査で、血液検査から簡便に行える。これまでは血液検査で痛い思いをしてきたが、たった尿1滴で、しかも「腫瘍マーカー」検査より確率が高いという。すごいネ！ 

　私は昨年11月、かかりつけ医院で「CA19-9」腫瘍マーカー検査をした。「CA19-9」マーカーは、すい臓がん、大腸がん、胆道系腫瘍などのマーカーとして使われる。検査の結果、腫瘍マーカー基準値は37.0 U/ml以下なのに、私の腫瘍マーカー値は78.0U/mlと、基準値を大幅に超えていた。医師は「総合病院で精密検査をするように」と紹介状を書いてくれた。
　体に不調を感じているわけでもないし、精密検査などしたくなかったからしばらく放っておいた。が、紹介状を無視するわけにもゆかないので、仕方なく昨年末に赤穂中央病院へ。CT検査では異常ないが、やはりマーカー値が高いので、次回、MRI検査をすることになった。
　しかし、ネットで「CA19-9」について検索したら、がんがなくても腫瘍マーカー値が高くなることがあるとあった。それにもうこの歳になって、たとえがんがあっても手術は受けるつもりはない。なるようになるさ、自然に任せよう。そう決めてMRI検査の予約はキャンセルした。
　あれから何度か血液検査したが、相変わらず高い。だが、線虫でがん検査ができるようになっても、検査する気などもうとうない。
　今年7月の血液検査では「CA19-9」マーカー値は少し下がって65。かかりつけ医は「定期的に血液検査をしよう」という。が、それすらどうでもいいのだが、断れないのよネ。その内、窓口負担が2割に値上げされたら絶対に断るぞ！