「ヤーメタ」と総理が辞任、気楽でいいね・・・

　昨日は「防災の日」、天災こそ起きなかったが、国民にとっては天災と同じように大きな嵐が吹き荒れた。
　夜９時２０分過ぎ、「たけしのＴＶタックル」を見ていると、突然、“福田総理辞任、９時半より記者会見……”のテロップが流れた。急いでＮＨＫに変えると、まもなく福田総理が登場して会見が始まった。
　なんのことはない、安倍さんとは違うと言うが、理由はどうあれ安倍さんと同じように「ヤーメタ」と放り投げたことに変わりはない。「民主党が話し合いに応じてくれない。何でもかんでも反対する」、「私がやるより他の人にやってもらったほうがいいと思う」などとグチめいた言い訳は、これまた安倍さんと同じである。これでは民主党への抗議のための辞任かと思われてもしかたあるまい。
　福田総理はプライドが高いそうだが、「道路特定財源の一般財源化や消費者庁の設置など国民目線での改革に着手したことで方向性は打ち出せたこと、基礎ができたと自負している」と功績をアピール、また記者の「首相の会見はひとごとに聞こえる……」に対して、「私は自分を客観的に見ることができる。あなたとは違うんです！」と逆ギレしたのを見てもそれがよく分かる。サミットを花道に、これ以上のマイナスを避けて今のこの時期なのであろう。
　この人はどうがどうでも総理になりたくてなった人ではない。また安倍さんも同じで、周りに担がれて神輿に乗ったのだが、状況が悪すぎてやりたいこともやれなかったことは気の毒に思う。が、まさかこの人も途中で投げ出すとは、やはりなりたくてなったのではない人の責任感はこの程度のものなのであろうか。
　一般企業のトップは大勢の社員とその家族を抱えて、この最悪の状況を乗り切ろうと四苦八苦している。よほどのことがない限り簡単には投げ出すことはできないし、またやらないだろう。しかし、株式会社「日本」のトップは簡単に投げ出せるのだから気楽なものである。総理を辞めても生活に困るわけでもなく、これからは元総理経験者ということで厚遇されるのである。総理を辞任するならいっそのこと議員も辞任すればいいのだ。それくらいの責任の取り方をしてもらわねば国民はたまったものではない。　

　与野党とも選挙のことしか頭にないようだが、国民をないがしろにするのもいい加減にしてもらいたい。福田総理を擁護するわけではないが、民主党も民主党である。何が何でも反対、審議に応じない、話し合いに応じないなど、余りにアンフェアではないか。必要な審議は徹底的に論議し、譲歩すべきところは譲歩して、国民のことを最優先に考えている姿勢を示してくれなければ、いずれは国民にも愛想を尽かされるだろう。
　今のままでは誰が総理大臣になろうが、民主党の対応が変わらない限り同じであろう。こうなったら選挙しかないのかもしれない。が、もし引き続き自民党が政権をとることになったら、そのときは民主党も今のような強硬な姿勢を貫くことはできず、しぶしぶでも協力しなければなるまい。また、かりに政権交代しても民主党が豪語するようにそうそう簡単に事が運ぶとは思えないが、それでも何かは変わるかもしれないと、選挙にかすかな望みを抱いている。

　９月からまた一部食品の値上げと、厚生年金の保険料率が１５・３５％にアップされた。１０月からはガス料金も値上げされる。秋刀魚の時期なのに、漁師の一斉休業で卸値が高騰しているとか、今までのように安価で手に入らなくなったらと、数々の不安を抱えた国民生活を人ごとのように考えている政治家たち、もう私も「日本国民をヤーメタ」と言いたいくらいである。