つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

命言葉と道具言葉・・・

2007-01-10 | いい話ですね
 先日の新聞のコラムに、「命言葉」というのがあり、初めて聞く言葉に興味を惹かれた。
 『正月気分ももう終わりだと、頂いた年賀状の整理をする。多くがパソコンで印刷された文字だけど、添えられた手書きの文字にだけ、目が吸い寄せられる。わずか数文字でもそこだけ、体温が宿っている。言葉って不思議なものだとつくづく思う。
 話し言葉にも二つの種類があるのだと昨年暮れ、岡山県内でスクールカウンセラーを務める森口章先生に教わった。
 例えば親から子に声を掛ける場面。「早くしなさい」「宿題したの?」。人に何かをさせるための言葉は道具言葉。一方で、「顔色が悪いよ。どうしたの」「友だちにそんなことを言われたのか。腹が立つね」。感情に触れるこんな言葉を、命言葉と呼ぶそうだ。
 「よほど恵まれた環境にいる子でも、命言葉を掛けられていない子は気持ちの面では、みなしご。優しい言葉に飢えています」。多くの子どもたちと面談してきた森口先生は言う。「子どもだけではありません。夫婦の間でも職場でも、効率化を求める中でどんどん命言葉が捨てられている。日本人全体が今、砂漠の中で生きているようなものかもしれませんね」。
 せめて一日に一つ、命言葉を口にする。そんなささやかなところから、世の中は変わるのかもしれない。そういえば万葉の人は「言霊(ことだま)の幸(さきお)ふ国」と日本をうたった。言葉の持つ力で幸福のもたらされる国。言葉の力を取り戻したい。』(原文のまま)。
 「命言葉」、いい響きだ。夫婦の間でも親子の間でも、また友だち同士の間でも、お互いに命言葉を掛けることを心がければ、少なくとも今よりは争い事もいじめもなくなりはしないだろうか。

 月曜日、たまたまチャンネルを変えたら、「SMAP×SMAP特別編~今いじめている君へ~」という番組の途中だった。安倍内閣の目玉である「教育再生委員会」の担当室長である、ヤンキー先生こと義家弘之氏と草剪剛の司会で、小学生が多数ゲスト出演していた。
 少年少女期にいじめの体験を持つタレントと、日本ハムの森本ひちょり選手がゲストで出演、自分のいじめの体験を語っていた。また、現在いじめられている子どもが登場し、切々といじめにあう辛さを告白していた。そして、電話でも何人かの子どもと話をしたが、結局その子ども達を守ってくれるのは親しかいないということだった。
 学校や先生、教育委員会を相手に孤軍奮闘したある母親が、最後に頼ったのが、同じ年代の子どもを持つ親の集まりの保護者会である。我が子を救うため捨て身になった母親の訴えに心あるものが立ち上がり、現在、いじめ撲滅に大きな進展が見られているという。
 もし、「命言葉」を掛けられたことのない子どもが、いじめる側になっているのかもしれないとしたら、やはり子どもをそだてる親の責任は大きいようである。
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3 コメント

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Unknown (うらら)
2007-01-10 20:12:24
イジメ、イジメと根の深い問題になりましたねー
以前からあったのにもう遠い他人事ではなく身近な問題になったのですね
親御さんは我子が自殺してしまってからその責任に力を注ぎ奮闘するより、(勿論一番大事な事ですが)
やっぱり守ってやれなかった事の後悔がどんなに大きい事かと察します
捨て身になって守ってやれるのは親しかいないという現実

我家も娘が中学の時そんな話が出て
「パパが棍棒もって殴り込んでやるから」とツレアイ。
「パパはそう云う事をいうと思った、お母さんは『あんたが悪い』というやろねー」とのたまった
はい、多分そんな光景が見えます
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まずは挨拶から (lohashatoyama)
2007-01-10 21:17:42
命言葉ですか。そうですね、一日の始まりまずは「おはよう!」でしょうか?その一言でどんな闇にも朝が来るような気持ちがします。私もつらいときがありました。そんな言葉で一日が始まると気持ちいいですね。
最近、イジメ、子育て、教育いろんなことが言われていますが、確かに言葉の力が取り残されているような気がします。一番の基本なのに。

最近は事務所でもそんなワカモノが多いのに驚きです。人事部はなにを基準に採用してんだ?
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Unknown (オールドレディー)
2007-01-11 08:50:24
★うららさま
 番組中、若い女性タレントがいじめで不登校になった時、最初親は何が何でも学校へ行けと言われるのがとても辛かったという。そして、ある日突然父親が自分の前で土下座をして、「いじめる子の前で、こうやって土下座をしてでもお前を守ってやるから、学校へ行ってくれ」と言われ、それから強くなれたと言っていた。たしかに、一人でも自分を愛してくれる人がいるというだけで強くなれるものだと思います。
 お宅のツレアイ様と同じように、いざというときは母親より父親のほうが頼りになりそうですね。


★lohashatoyamaさま
 言葉って一つ間違えば凶器にもなるって、今度の兄が妹を殺害した事件でも分かります。
 でも、人はいちいち考えながら言葉を発するってことはしません。だがら、つい言わずもがなの一言が相手を傷つけることは良くありますね。
 かく言う私もズバズバ言うほうで、あとで自己嫌悪に陥ることもあります。会社でも一番のうるさいお局で、社長が「言うことはきついが、それでも正しいことを言うからな…」と言ったくらいです(^_-)。 
 でも、最近は正しくても余計なことを言って嫌われるより、「言わぬが花」と決め込もうと思ってはいますが、大久保彦子はなかなかかえられそうもない
 {/face_ang/
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