安東伸昭ブログ

安東伸昭の行動日記

トルコの断層に匹敵する日本の「中央構造線」

2023年03月03日 | 災害

令和5年3月3日

トルコの断層に匹敵する日本の「中央構造線」

   

2月6日、トルコ南部のシリア国境付近で発生したM7.8の大地震で、これまでに4万8000人以上の死者が確認された。

1回目の地震以降、2週間で余震は6000回を超えるなど、予断を許さない状況が続く。

 

東北大学災害科学国際研究所教授(地震地質学)の遠田晋次氏が解説する。

「トルコ大地震の震源は全長約300kmにもおよぶ東アナトリア断層です。

阪神・淡路大震災や熊本地震を引き起こした断層の長さが30~40kmですから、

それらの10倍近い地殻変動を想像していただければ、規模の大きさが分かると思います」

日本も他人事ではない。

今後、トルコ大地震級の地震に見舞われる可能性を否定できないからだ。遠田氏が続ける。

「日本国内で、東アナトリア断層に匹敵する長さの活断層は、奈良県から四国を通って大分県にまで伸びる、

全長約440kmの中央構造線断層帯しかありません。

現在、この断層帯は10区間に分けて評価され、地震を起こす時は別々に動くと考えられています。

しかし、区間が連動する可能性も否定できない。そうなれば想定以上に大きな地震もありえます」

 

 

 

日本でも「パンケーキクラッシュ」が起きる

  

  建築物の構造崩壊形のうち、「層崩壊」を指す和製英語。

  倒壊した階層が平たく押し潰されている様子が、パンケーキに似ていることから俗称としてこう呼ばれる。

 

東アナトリア断層は過去200年間、大地震の震源地となっていない、「空白域」と呼ばれる場所だった。

実は中央構造線断層帯でも400年間、大地震が起きていない。

専門家の間では「この空白域こそ地震が起こりやすい」という指摘もある。

本州を横断する中央構造線断層帯が連動し、日本列島を真っ二つにするような大地震が発生。

その時、地上はどれほどの被害に見舞われるのか。

「トルコ大地震では建物全体が真下に崩壊し、居住空間を押し潰す『パンケーキクラッシュ』が発生し、多くの死亡者を出しました。

原因は建物の耐震強度の低さにあり、日本にもまだ耐震性不十分の建物が住宅だけでも約700万戸あります。

同じような揺れが襲えば、日本でもパンケーキクラッシュが多発する可能性があります」

  (東北大学災害科学国際研究所教授で地震工学の五十子幸樹氏)

遠く離れたトルコだから、と油断せず、大地震に備える教訓としたい。

 

 

 
 
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