ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

呪われた靖國

2015-04-15 09:38:02 | おでかけ

図書館のPCで、「同期の桜」の歌詞を調べていた。

多少の違いがあるので、色々見ていたら、
あるサイトを開いた時、突然、
「ポーポ ポーポ ポーポー ポ~ポ~」と、曲が流れ出した。
しかも、この歌に似つかわしくない、軽々しい音で。

「やだっ! 恥ずかしい。何を見ているかバレてしまう。」

慌てて、矢印をクリックして戻し、
スピーカーを0にしてから、再度開いた。

そして、じっくり歌詞を確認した。
知ってはいたが、改めて「こういう歌か。」と思った。

桜咲く

気象庁が基準にするだけあって、靖国の桜は早い。

あれから、英霊に取りつかれた気がして、
靖国神社にでも行くか、と思いたった。

ほとんど咲いていないだろうと思っていたら、
ほぼ、満開の樹もあった。

平日だというのに、参道は、
屋台とイベントの歌声で騒がしかった。
桜を見上げる人々に、
戦後70年という実感は、無いように見えた。

菊の御紋に魅入られて

白と黒のアメ公が、本殿を撮影していた。
中国人の女が、携帯で話す声がうるさかった。

そう思うほど、私もここでは、日本人になってしまうのか、
外国人がいる事に、違和感を覚えた。

美しい桜と金色の御紋の前で、写真を撮るのに夢中になり、
参拝する前に、手を洗うのを忘れた。
思ったより、厳粛になれなかった事に、拍子抜けした。

小さな根付の初穂料は1000円。
ここでしか買えない「戦争」で、商売してやがる。
泉岳寺の「切腹最中」の方が、まだ愛嬌がある。

菊の御紋の裏に、「靖国神社」の文字は入っているかと、
しつこく聞く私は、もっと俗っぽい。
おさい銭は10円だったので、ここで納めるとしよう。

家族には、菊の御紋が刺繍してある、黒いTシャツを買った。

「けっこう、売れるのよ。」と、売店のおばちゃんは、
なぜか、小声でささやいた。

別に、コソコソ買ってるつもりじゃ…。
ウチの思想は、前後左右、どれでもないし。(笑)

不気味な鳥居

帰りになって、入口の鳥居が目に入った。

異様にバカでかい、さびた電柱のような第一鳥居。
英霊が、零戦に乗ったまま通過するとでも言うのか?

それは、いかにも「国家権力」という冷徹さで、
私を見下ろした。

その横には、競うように、日の丸が高く掲げられていた。
今でもなお、戦没者は支配されているようだった。
これでは、英霊も浮かばれまい。

靖国は、呪われていると思った。

私はかつて、こんなに嫌な感じの鳥居を、見た事が無い。

職場のエアコンの熱と、急な気温の上昇のせいか、
はたまた英霊の祟りなのか、ずっと頭痛が続いていた。

家に帰るなり、買ったばかりの金の根付を、
サイフに付けてみた。

なぜかそれが、とても愛しく、大切な物のように感じた。
きっと私は、私なりに、戦没者を悼んでいるのだろう。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世捨て人 | トップ | ようこそ試練 »

コメントを投稿

おでかけ」カテゴリの最新記事