『 エリカ 奇跡のいのち 』

　　　『 エリカ　奇跡のいのち 』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ルース・バンダー・ジー/文
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ロべルト・インチェンティ/絵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　柳田　邦夫/訳
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　講談社  2005年（日本絵本大賞・翻訳絵本大賞）


　　　第2次大戦中のドイツで奇跡的に生き延びた女性の実話です。

　　　ナチス・ドイツによって貨物で強制収容所に送られる途中
　　　ユダヤ人の母親が生まれて２～３ヶ月の赤ちゃんを
　　　せめてこの子だけでも生きて欲しいと願いを込めて
　　　貨物の排気口から投げ捨てた。
　　　それを目撃した沿線の村人が奇跡的に怪我もしなかった赤ちゃんを
　　　拾って、名前を「エリカ」とつけて密かに育てる。

　　　ドイツを旅していた作家が「エリカ」と出会いその半生を聞いて絵本となった。
　　　わが子を排気口から投げ捨て生きて欲しいと願った母
　　　そして「エリカ」を密かに育てたドイツの村人
　　　狂気の時代の中での勇気ある行動に感動する。
　　　セピア色の絵本が哀しかった。



　　　６月・・・・

　　　主治医が亡くなって1年が過ぎようとしている。
　　　あれから １周忌になるとは・・・
　　　昨夜、入浴していて
　　　自分の体の「手術痕」をみて
　　　＜なんてやさしい傷痕＞なんだろうと改めて思った。

　　　プールにだって
　　　温泉にだって
　　　人目を気にせず　堂々といける。

　　　手術前は乳房に未練などなく、癌を治せるのなら切除することに
　　　躊躇などないと自分では思っていたが
　　　日が経つにつれ「温存・再建手術」をしたことに大きな意味を
　　　感じるようになっていた。

　　　若い日の主治医は乳がんの手術後
　　　患者の病室へ診察にいくと癌の手術は成功したのに
　　　乳房の喪失に打ちしがれる患者の姿を見ていたたまれなくなり
　　　乳房の「温存術・再建術」をアメリカの病院へ学びに行く。
　　　癌の手術だけでなく、その後のクオリティにも気遣ってくれた。
　　　いまでこそ、日本でも温存手術は主流になってきているが
　　　ほんの少し前までは違っていた。
　　　乳がんは酷い傷が残る病気だった。

　　　風呂場で傷痕をみる。
　　　なんてやさしい傷痕・・・
　　　病気を取り除くだけでなく　その後の気持ちまで
　　　温存してくれていたんだね。　

　　　最近まで、あの頃 読み漁っていた「癌の本」がつまったダンボール箱が
　　　部屋にドーンと置いてあった。
　　　今は本を処分してダンボール箱があった場所に犬のケージが置いてある。
　　　というか、犬はもうケージには入らないので・・・・。
　　　犬の玩具箱になっている。
　　　健康になるってこういうことなんだ。



　　　サッカー、キリンカップ　　
　　　今夜　「日本　×　モンテネグロ」の試合がある。
　　　海外組みも招集されていて懐かしい顔ぶれもいて楽しみ　
　　　頑張れ　日本代表　　
　　　もう、ご飯は「ほか弁」です。 　
　　　サッカーのある日は母親をやめます。
　　　ＴＶの前でサッカー観戦です！！