ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

42. データの分析

2009-04-17 | 継続的改善52
規格8.4:品質マネジメントシステムの継続的改善を目的に、顧客満足、製品要求事項の適合性、予防すべき問題の発見、供給者に対する情報などに関するデータを収集して分析すること。

システムの不具合を発見してそれに手を打つためには、システムを作成する以上の創造性が必要である。継続的改善というが自分のつくったシステムを改善することは難しい。システムをつくる時は後で改善することなど考えてない。いまできる最善のものをつくっているはずである。自分が努力して作り上げたことを直せというのは難しい。

「守破離」という日本古来のプロセスで考えると、システムを作るのは「守」の入り口の段階である。その先に、努力して身につける段階を経て、「作法」が一通りできるようになる。ただしこれで本当に自分の身についたわけではない。これを次の段階で破れといわれるわけである。大部分の人はこの「破」の段階には進めない。自分の覚えたことに執着するからである。
「創造的破壊」と言ったのはシュンペーターだと思うが、これが難しい。
創造できることがわかって破壊するのではないから、破壊には勇気が伴う。
しかし「破」のプロセスを通して予想以上の成果が得られることがある。これが現状打破であり、革新である。制約条件を捨てて前に進む発想が必要である。

いままで自分が大切にしているものを捨てるのは難しい。
人間も脱皮しなければ成長しないと前に書いた。
聖書にも「親兄弟を捨てて私についてきなさい」とキリストは弟子に要求する。
「金持ちが天国に入るのは、駱駝が針の穴を通るより難しい」というのも、持っているものに対する執着を捨てられない人間の弱さを例えに言っている。親兄弟、お金という形あるものから自由になりなさい、執着を捨てなさいというのが「道」を極める極意である。

多くのISOの失敗は、「守」を繰り返すに過ぎないからである。
欧米の考えは、システムやルールを作る人は偉いという考えである。
普遍性を追求するからそうなるのだろうが、入り口で「完成」と思い込むからそれから先に進まない。ISOに代表されるように、システムを作ってそれで終わりである。
それがはじまりであることを知らなければならない。
システムの継続的改善というが、形式的で手直し程度にしか考えてないように思える。

「守破離」にもどる。
「守」から先に進むためには、現状を客観的に見直すことが大切である。現状を見直すことを現状把握という。その一つの手段として、データが必要になる。データを分析することは「道」の入り口を見つけることである。
どのようなデータを収集するか、どのように分析するかは人に関わることである。
願わくは創造性のある人にデータの収集、分析をまかせたい。
コメント
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