ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

顧客要求と技術

2009-02-23 | ISO外論
顧客の要求から組織の経営資源を点検してみる。
自社の保有技術は何か、不足している技術は何かを評価するために、顧客要求を使う。
当然のこと顧客要求は現在の要求ばかりでなく、将来の要求の変化も考えておく必要がある。市場の長期予測に基ずいた顧客要求で技術を評価することが肝要である。

あまり難しく考えると何事も進まない。
技術を評価することで、従来気がついてなかったことが見つかればいい。
そんな軽い気持ちで進めてみよう。
創造性が必要な時には受け身で考えるのは禁物である。

たとえば、次のように考えて進めてみよう。
顧客要求の達成を目的として、その手段を考える。その手段を目的とするとその目的を達成する手段に展開できる。このように顧客要求を展開するとその目的を達成するための技術に展開できる。技術が多くの目的と関連する場合は技術も展開するとよい。
顧客要求の展開を「要求品質表」と名付けた。
一方、技術の展開を「技術表」とよぶ。技術を設計技術と生産技術に分けて、「技術表Ⅰ」「技術表Ⅱ」のように区別しても良いだろう。

また、要求品質と技術のマトリックスを作ると自社の技術の分布がみえる。
顧客要求の中で今後の動向を予測した場合、自社の保有技術は十分か、不足している技術はなにか。今後の技術開発の重点はどこか、などが整理できる。
ポートフォリオも市場と技術のマトリックスだが、顧客要求、要求品質はもう一段階技術の中に入り込んだ指標である。
このように意味ある比較をすることにより今まで見えなかったものが見えてくる。

設計が図面だけでは表現できない品質保証上の重点をまとめたものを、QA表とよぶことがある。
自動車のような組立て業の場合は「部品QA表」「組立てQA表」と区別する場合もある。
ついでこのQA表を製造工程に展開したものが「QC工程表」である。

このような展開を品質管理では品質機能展開:QFDとよぶが。これらは問題発見の道具として、まず活用すると多くの問題の発見に役立つ。
蛇足しておこう。QFDは始め問題発見や問題の予防のために開発された道具である。
しかし、それを形式的に真似るだけでは役に立たないばかりか、余分な仕事が増えるだけのことである。形を作って魂を入れることを忘れてはならない。
「仏作って魂いれず」ではご利益が得られない。
コメント
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