ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

14.コミュニケーションと責任権限  

2009-02-27 | 継続的改善52
5.5:責任権限を組織に周知すること、および、内部コミュニケーションを良くすること
は経営者の責任である。

活性化した組織においては、責任権限を明確にすることはコミュニケーションを良くすることにつながる。自分の仕事の前工程、後工程がわかり、自分が何をしたらよいか明確になるからである。「後工程はお客様」というのは品質管理の基本である。お客様のことを考えて仕事をするのであって、自分の都合で仕事をするわけではない。責任権限を組織に周知することはコミュニケーションを良くするため行うことであり、仕事の基本を教育することでもある。

この基本が理解されてないから、部門間の壁が厚く、部門間連携の悪い組織になる。
くどいようだが基本的な教育の不足である。
この原因は、教育する側に問題があることは言うまでもない。
教育する側の思い違い、無知であることを強調しておく。
例えば、次のような思い違いはないはないですか。
責任権限は職務分掌で明確にすればよい。
責任とは自己責任であり本人の自覚に待つよりほかにない。
部門間連携は会議でできる。
等々あげたらきりがないが、この間違いが常識となっている。
ISOや社内監査などこの間違いが多いのに驚かされる。

組織やシステムを長い間放置しておくと、責任権限を必要以上に複雑にして自分の責任を曖昧にする。システムの官僚化である。この原因は経営幹部の思いつきの組織いじりである。組織を細分化しておいて、指示命令を徹底させるために、どんな細かいことでも報告しろと指示する。「報連相」を自主性に任せるのでなく、上から下に要求するという古臭いシステムである。
これが時に、秘密警官のような機能を果たす。信頼によって組織が成り立つのではなく、不信感が蔓延する。経営幹部の器量と恐怖感がそのまま組織に反映されるからである。
ドラッカーがこのことを指摘していたと思うが、組織がだめになる前兆である。これにもう一つ品質問題隠しが追加されれば、悪循環が組織に蔓延する。

ISOは本来このようなことをなくすために、システムの継続的改善を要求している。
システム作成段階から、成果のあがるシステムを考えるべきである。
1+1を2にするだけならシステムはいらない。システムとは部分の和より全体を大きくすることである。シナジー効果をあげるのがシステムの目的である。

たとえば中小企業、少ない人員で仕事をオーバーラップしているから、うまくいく。
組織が複雑になり、責任権限が細分化されたのでは、うまくいくはずはない。こんなあたり前のことが理解されてない。
文書化のみ考えて、取り付かれたように文書を作ると、硬直化したシステムになる。システムは両刃の剣であることを忘れてはいけない。
コメント
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