ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

パラダイムシフト

2009-02-05 | ISO外論
科学史家のトマス・クーンが、科学における偉大な発明はいかになされたかをまとめた名著がある。多くの偉大な発明の瞬間を天才たちの手紙や日記などの事実に基づきまとめているので臨場感がある。アインシュタインが相対性原理に気付いた瞬間、「わたしのまわりで何がどうなっているのか、まるで理解できない。このまま喜劇役者にでもなったほうが幸せに思う」と嘆いたという。このような瞬間の変化をトマス・クーンはパラダイムが変わった、と表現している。原理、公式、世界観、信念などクーンは著書の中でパラダイムを120通りに使っているという。数える価値があると思い50近くまで数えたことがある。

組織やシステムは伝統も大切だが陳腐化しないうちに、パラダイムの転換をすべきである。
古いユニフォームを脱ぎ捨てるように新しい環境に適応するため脱皮しなければならない。
経営者とその取り巻きの老人たちは、(精神的な意味での老人であるが、)保守的で新しい環境について行けないことが多い。下位の管理者も事なかれ主義で新しいことにチャレンジしない。顧客に対して、上位者に対して、平気でうそを報告する。
一部の企業で隠しきれず事件として報道されているが、いま日本のものづくりの現場でまん延している病気である。

「守破離」の「破離」を実践すること。
毛虫がさなぎになるのは美しい蝶になるのが保証されているからそうするわけではない。
何も目的を持たず脱皮するから美しい蝶になる。
悲しいかな人間は、目的をもたないと何も出来ない。
組織のビジョンが必要なのはこの点である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする