ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

6.品質保証のプロセスに注意しよう

2009-02-10 | 継続的改善52
序文:ISO9001の品質マネジメントシステムの要求事項は品質保証に加えて顧客満足の向上をもめざしている。
序文 0.2:組織内のプロセスを明確にして、その相互関係を把握して運用管理する。
プロセスアプローチを実践するために、次を実践する。
要求事項を満足させる
付加価値を高めるプロセスをつくる
実施状況と有効性を把握する
プロセスの継続的改善を行う

ISO9001には、「製品実現」について詳しく要求事項がまとめられている。市場調査・設計・購買・製造について必要な項目はほぼ網羅されている。新製品開発管理や事業のプロセスを整理するのに役立つ。これは9001の特色であり、環境管理の14000など他の規格にない特色である。ただし、顧客の要求を中心にまとめられているため、運用にあたっては、組織の現状と実力に合わせて、実現可能な工夫をすべきである。

たとえば、9001の要求事項にそって、現状を考えないでフローチャートを書くととても長いものになる。そのとおり運用しようとしても、忙しい製品開発の時間内では実行できない。その結果が、実務とISOの二重帳簿になる。

自動車業界に特化したISO/TS16949では、運用にあたっての細部の工夫が追加されている。「部門横断的アプローチ」「かんばん」「QFD」など過去に開発した手法があげられているが、形だけ導入しても成果が得られるはずはない。注意しないと折角の改善の処方箋が形骸化の道具になることも考えられる。たとえば部門横断的アプローチはコンカレント・エンジニアリングといわれる部門間連携の考えである。ところが部門横断的アプローチは実際には会議体で運営されていることにとどまっている。会議は最終の確認事項を徹底するためにはよいが、具体的作業にはふさわしくない。会議で連携がされていると、ごまかしていてはISO規格にある「プロセスを明確にして相互関連を把握し運用管理する」ということがほとんど実行されないことになる。

ISOで整備しなければならないプロセスは部門内のプロセスよりも、部門間のプロセスである。この部門間、プロセス間の整備がされないISOは役に立たない。
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