二銭銅貨

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親鸞・白い道

2011-01-29 | 邦画
親鸞・白い道 ☆☆
1987.05.09 松竹、カラー、横長サイズ
監督・脚本:三国連太郎、脚本:藤田博
出演:森山潤久、大楠道代、三國連太郎

雪道とか、
烈風の中とか、
砂原とか、
足跡を残して黙々と進む親鸞の姿が、
この物語の主題であるようだった。

民衆は、人々は、
右往左往しているようだけれども、
それでも、よじけながらでも前向きに、ひたすら、
黙々と歩んでいく。
生物の進化が、のろのろと、試行錯誤を繰り返しながら、
大量の生命を費やして前へ進んで行く様に、
人々また、強くたくましく前へ進んでいる。

それでも、くじけそうな人々とか、
生きて行く場所の無い人々とか、
前の見えない人々とか、
あるいは、強欲の虜となって無限地獄に落ちている人々とか、
いろいろと困難な人々もいる。

あらゆる人々に、進むべき道を照らしてあげることが、
僧侶のプロフェッションだと、
映画の中の親鸞は、そう思っているようだった。

物語の説明が粗っぽくて、親鸞を良く知らない人には分かりにくい映画であったが、映像が美しかった。その映像の中に、親鸞の精神らしきものは感じることができた。

ドキュメンタリ作家の佐野眞一氏と共同通信編集委員・立花珠樹氏のトークショーがあった。飢餓海峡、内田吐夢、三国連太郎などについて多くのエピソードが語られた。特に満映(満洲映画協会)での、甘粕正彦の自決に内田吐夢が遭遇する話などが興味深かった。

11.01.15 新文芸座


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