マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

円安時代に月予算額として1人なら10万円、夫婦なら15万円で暮らす、マレーシアマイセカンドホーム生活

2014年09月09日 | 総論と分析と考察

円安時代ですね。外国為替市場ではしばらく前から1米ドルが100円を数円程度上回っており、外為チャートを見るとこの状態が既に1年前後続いている。
日本政府と日銀による円安政策の要因と、日本経済が持つファンダメンタルズの要因の2つがこの主たる理由のようですが、この先大きく円高に振れることは当分、いやこの先何年もなさそうです。

マレーシアリンギット(記号RM)の対日本円為替レートは米ドルに直接リンクしているわけではなく、円が対米ドルでいくらか円高になっても円対リンギットの為替レートが動かない、さらには幾分円安方向に移ることさえもある。しかしながら、大きな流れからみれば、円対リンギットの為替レートは円対米ドルの動きにかなり沿っているといえそうです。
例えば2014年9月上旬の外為レート
(マレーシア最大の銀行)Maybankで1万円を両替すると、日によって異なるが RM 296からRM 298.0 を入手する。

注:なおクアラルンプールの人気ある公認両替屋で両替すれば、銀行レートより幾分良いレートで両替できる、この場合では RM 300かまたはRM 300をかろうじて上回る。両替屋によってレートはかなり違うので、日本円に比較的良いレートをつける所を探すのがお勧めです。

【RM 4.0 の頃を期待するのでなくRM 3.0の時代を前提に暮らしを考える】

円が対米ドル為替レートで100円超になる前、つまり何年か前の一時期、対リンギットの為替レートで100円が RM 4.0にまでなったことがあった。この意味は10万円を両替してRM 4千を入手できたということです。そこまで円高ではなくても、対リンギットの為替レートで 3.5前後を移動していた時期がしばらく続いていた。

しかし今や対リンギットでも円安時代です。つまり100円=RM 3.0 の時代、10万円を両替してRM 3千しか入手できない時代です。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者と参加希望者は、この対リンギット円安時代を前提にマレーシア生活を考える、計画しなければなりません。
2014年下半期の平均的為替レートになるであろう 100円=RM 3.0 を基にして考え、計画していく。運よく対リンギットで円高に進めば、その増額分は臨時ボーナス的収入増と捉える。こういう生活プランが必要でしょう。

イントラアジアは以前の記事 『月額10万円に満たない年金でもマレーシアロングステイはできる』  -2011年07月28日付け(総論と分析と考察カテゴリー)で、「平均的厚生年金受給者の年金受給額つまり月額16万7千円の半分程度だという方の場合」を例にして、具体的に説明しました。あらかじめぜひ目を通してください。
その中でイントラアジアは次のように書きました:
「2011年7月の時点でマレーシアで1万円を両替するとRM 370前後入手できる」
「現時点で1万円を両替してRM 370を得られても、3年後にはそれがRM 300に目減りする可能性もあるし、・・・・」

まさに3年後の2014年中頃は1万円=RM 300になっている。まこと外為相場は人を悩まし、困らします、また時には喜ばします。

【1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500】

そこで今回の記事ではRM 300という為替相場を考慮して、きりの良い10万円の場合を例にしてみましょう。これは1人でマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加する場合ですから、夫婦で参加なら月額15万円の予算とします。

必要な費用面で、2人の場合は1人の費用の倍にはならないことは皆さんも同感されますよね。住居は2人の場合でも1人とほぼ同額またはやや上回る程度に抑えられるからであり、光熱費なども倍にはならない、さらに外食は別として、自宅で料理する場合でも倍にはならないでしょう。もっとも公共交通費のように倍になることもありますが。イントラアジアの推定で 1.4倍程度で済むかもしれませんが、ここではきりのよい1.5倍に設定します。

毎月の予算として10万円を両替する、するとRM 3000を得る。15万円の両替ではRM 4500となる。日本人にとって希望するまたは好ましい対リンギット為替レート時なら、RM 3500位またはRM 5250位は入手できました。RM 500/ 750 の差とはいえ、RM 3500/5250 とRM 3000/4500 場合ではこの差は結構大きいと言えます。なぜならRM 10万とRM 10万5百の差ではないからです。
従ってRM 500またはRM 750を節約する心構えが必要ですね。

さてここで当ブログは読者の皆さんにあらためて念を押しておきたいことがあります。そこでまず、『マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ』  -2012年06月23日付け( 総論と分析と考察)をクリックしてお読みください。 

その中で書いた一部を抜粋して再録:「こういう出版物に晒された読者すなわち旅行者は知らず知らずにその作られたイメージが本来の姿またはあるべき姿だと思い、また期待して旅行する。
ロングステイ希望者・関心者も似たような過程を経ていることだと推測できます。
マスコミや業者・団体の作り出すイメージに大いに従いたい、イメージどおりでなければならない、と考える方ももちろんいらっしゃいます。それは個人の自由ですから、これもイントラアジアの関知するところではありません。
一方当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログです。」以上

月予算10万円または15万円ではとても十分な額とはいえない、20万円以上または30万円以上の予算を用意できるという方も当然いらっしゃいます。もちろん、そうであれば結構なことで、当ブログがそれをどうこう言うことはありません。

今回主として対象にしているのは、あくまでも月予算10万円または15万円程度の方たちです。もしくはこの金額より幾分少ない額でも、現実として暮らすことは十分可能です。

日本円を表示しましたが、それは両替の目安としてであり、マレーシア生活の際にいちいち円換算する必要はないし、そういう思考は止めるべきです。
以前にも説明したように、1万円とRM 300のそれぞれの国における価値は大いに異なるからです。できるだけリンギット(RM)で物事を捉えるようにしていってください。

【ある程度の妥協心を持って家賃を抑えることがまず鍵になる】

日本において、自家を所有しているため家賃や住宅ローンを払う必要のない方なら、この金額で暮らしていくことはできるでしょう、もちろん贅沢な暮らしは無理だとわかります。

マレーシアで考えます。現在の相場の下で住宅を購入するには、日本円で2千万円近くは必要なので、ここでは自家所有ということは考慮外とします。
学生や若年層向けのルーム賃貸ではなく、世帯向けとしてのユニット(1戸)の賃貸を当記事では想定しています。

そこでコンドミニアムであれ一般住宅であれ、いかに家賃を抑えるかが鍵になります。
家賃RM 1500前後の住居はいくらでもあります。マレーシアの相場でいえば、中の中くらいですから。 

当ブログでは既に皆さんご存知のように、 『クアラルンプール圏またはペナン島の住宅写真と地図の連載、 シリーズ』を掲載してきましたし、これからも続けていきます。それらの記事で載せている写真と地図が示しているように、実に多くの地区にコンドミニアムが数多く建っています。

要するに、例えば住むのはM地区でなければならない、B地区に限るといったこだわりをお持ちでない限り、選択は十分にあります。
「当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログ」ですから、読者の皆さんの中には、こういう特定地区に固執される方はいらっしゃらないことだと思っています。

1人で住むのに適しているであろう賃貸料RM 1000から1500、夫婦で住むのに適しているであろう賃貸料RM 1500から2000のクラスのコンドミニアムまたは中級以上のアパートは、誇張ではなく一杯あります。
いろいろと探してみることをしないで、誰々の話とか日本の雑誌や本に載っていたからといったごく限られた情報で全てを判断しないことです。

”1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500”という前提条件の下では、当然妥協心は必要です。予算がこの額の倍の人たちと同じ基準で住居探しができないことはいうまでもありませんね。

土地付き住宅の場合は、マレーシア国民が一般に求めるのと同程度の安全要件を満たしていることが必要です。多少賃貸料が安くても治安面で問題が起きやすい地区は避けるべきです。そういう情報は該当地区の住民や店の人に直接聞くのがお勧めです。もちろん不動産紹介の代理業者の話も参考になる。
仮にその程度の会話もできなければ、日本人だけが集まったコンドミニアムに住むしかないでしょう。あいにく、既に何回も言明していますように、当ブログではそういう範ちゅうは扱う対象にしていません。

コンドミニアムの場合は、一応壁に囲まれ守衛がいるので、住居への空き巣被害などが起きることは稀でしょう、反面コンドミニアム施設などの面がきちんと管理されているのかどうかが、判断の要因になります(もちろん賃貸料が最大要因です)。

とにかく、ご自分の予算内に収まり且つ自分がそれなりに気に入る住居を探しましょうということです、この意味は、代理業者に問い合わせて物件を見せてもらうことを大いに利用すべきです。物件を見るのは無料ですよ。

プログラム申請の際、下調べとして多くの物件を見てある程度決めておく、またはマレーシアに来て、短期滞在向けのコンドミニアムまたは中級以下のホテルに滞在しながら探して決める、という方法も取れます。こういったことは当ブログの以前の記事で詳しく書きました。
参考:『住居候補探しや下調べでマレーシアに短期滞在する方法とそのためのアドバイス』 -2013年1月5日の記事 -をクリックしてご覧ください。

【想定した予算における住居選びの主たる基準として何を考慮すべきか】

マレーシアでは、一般的に50平米以下の狭い住居はあまりありません。低所得層向け住宅でも50平米ぐらいはあるでしょう。もっとも低所得層向けの公共住宅は外国人は入居でない定めとなっている。

住居の広さについては、1人または2人で住む際に床面積100平米超は必要ないでしょう。いや広い所に住みたいからと100平米超の広い住居に憧れる方は、当然予算が少なくとも数割は余計にかかることになる。でもこういう点は妥協が必要ですね。

土地付き住宅の場合、非高級な1階建テラスハウスであれば、RM 600程度で賃借できる。2階建てテラスハウスならそれより数割賃貸料が上回る程度です。しかし賃貸料だけで住む場所は決められません。要はその住宅がある地区、場所が非常に重要です。

高架電車LRTまたは Komuter電車の路線が近くを通っているような場所ではなく、バス便しかない、それも主要バス通りから離れているため、ある1つのバス番号の路線だけしか通っていない、だから1時間に1本程度の頻度ということになる。

こういう地区・場所は自家用車を保有していないと相当不便です。バス便が1時間に1本と言ってもマレーシアの公共バスですから時間通りに運行はされないし、日曜は本数はより少ないし、夜間は早い時間に運行が終わる。ということで、賃貸料RM 500から700程度の非高級テラスハウスであっても、自家用車がないと生活自体がたいへん不便になってしまうことを、覚悟しなければなりません。
これはマレーシアマイセカンドホームプログラム滞在者にはまず選択外となることでしょう。

プログラム滞在者の生活スタイルを考慮すれば、賃貸料の比較的安さを求めて郊外のかなり不便な住宅地に住むというより、生活の便利さを考えて、都市部内かまたは都市部周辺の地を選んで公共交通の便利さを重要視されることになるではないでしょうか。

全く別の選択肢として、都会ではなく地方都市さらには地方の農村を選ぶという選択ももちろんある。そこでこの2つの選択を先に考えてみましょう。

【地方都市暮らしをされたい場合】

地方都市、ここでいう地方都市とは、ペナン州のジョージタウン、マラッカ州のマラッカ、ペラ州のイポー、ジョーホール州のジョーホールバルといった各州の中心都市を指すのではなく、州のある地方の主たる町を指す。市とか町というのは行政上の名称なのでここでは定義しません。 こういう地方都市であれば、複数の銀行があり、商店街がある、モダンとはいかないがスーパーマーケットもある。もちろん伝統的な市場(いちば)は必ずある。

あわただしく常に喧騒に包まれた大都市の生活を好まない方には、地方都市の生活が気に入ることでしょう。地方都市ではコンドミニアムは建っていないことが多い、例えあってもごくごく少数なので選択はまずない。しかしリンクハウスやショップロットハウス、準一戸建てといった選択はかなりある。当然ながら大都市より物価は幾分安いので、住居費も割安となる。

町から遠くないところには田舎が広がる、または海岸や漁村や山などがある。都会の確かに便利で華やかなしかし全てにお金のかかる娯楽レジャー生活は望むべくはないが、結構身近な所に自然が広がり、いささかのんびりとした地方都市生活は、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者にもっと注目されてもいいかもしれません。

なお地方都市生活を考慮される方で持病などの健康問題を抱えた人は、医療サービス面をよく調べてから決定すべきです。
地方都市にももちろん、私立医院は複数あって医院にかかること自体に困ることはないでしょうが、こういう医院は一般内科(GPと呼ぶ)であり、専門医ではない。全国の町以上の規模の地方都市には、公立(国立)医院が必ずあるが、こちらも一般内科医だけです。

マレーシアではそもそも専門医が日本ほど多くない。大都市であっても、整形外科、耳鼻科、胃腸科といった専門医院としての開業はごく少ない。多くの有名な大中病院に専門医が集中している。そしてその医療費は相当なる高額である。

こうしたことから地方都市では専門医自体がごく少ない、故に専門医院は皆無でしょう。必然的にその地にある公立(国立)病院へ行くことになる。地方都市には私立病院がある所もあるしない所もある。当然ながら種々の専門科を揃えた大きな私立病院にはなりえない。
参考:この点は 『マレーシアの医療:公立医療施設と私立医療施設の説明』- 2013年05月19日付け記事 で論じましたので、クリックしてご覧ください。

そこでその対象となる地方都市の国立病院で、持病を抱えた方が納得できる程度に対応してもらえるかどうかをあらかじめ確認しておくことは大切なことです。人それぞれによって病気の程度と納得する基準は異なる。ある人にとって満足できてもある人には満足できないこともある。大都市であれば、仮にA有名私立病院での診療に不満であれば、B有名私立病院に替わるという選択ができる。
しかし地方都市では、全てではないが大体において、その地の国立病院しか選択はありません。

既に決めている意中の地方都市がありそこに住むつもりだ、地方都市暮らしの選択は考慮外だ、という方は別にして、全国に数ある地方都市から気に入った地を選ぶのは多少時間がかかるはずです。

そこで地方都市生活を希望される方には次のような方法があります:マレーシアマイセカンドホームプログラム参加の第1年目は大都市に住む、そして半年以上かけていくつもの地方都市を訪れて下調べし、気に入った地方都市を決める。日本からマレーシアの地方都市の具体的なことを知らべるのは不可能ですが、クアラルンプールまたはその郊外に住みながら、地方都市を訪れることは比較的容易ですからね。その上で、2年目に決めた地方都市へ転居する。この方法はずっと現実的ですよ。

【田舎暮らしをされたい場合】

次に田舎暮らしの場合はどうでしょうか。 日本では定年・引退後は田舎生活に憧れる方は少なくないそうですね。イントラアジアはたとえ趣味としてであれ、庭で作物を育てたり、畑を耕したり、漁をしたりの経験はないので、田舎生活を論じることはできません。イントラアジアにとって田舎はあくまでも旅の中で訪れる地となっている。

マレーシアで田舎暮らしを目指される方は、それなりの経験があるかまたは強い意欲をお持ちのことでしょうから、イントラアジアとしてアドバイスできる点は以下のことです:

・マレーシアは田舎と都会の差が非常に大きな国です。現代日本では田舎へ行こうとコンビニはあり、社会インフラは整備されているはずですが、マレーシアではそれは期待できません。

・医療面はほとんど期待できない、小さな公立医院があるぐらいでしょう。ですから多くの場合は、公立病院があるその地方の主たる地方都市へ通うことになる。

・農地は賃借できても、購入できません、外国人は農地を買えない法律上の規定がある。

・その町の市場で買える材料で、料理して食事することを意に介さない気持ちがある。

・暮らしの中で車、最低限バイクの保有は必須です。

以上の点を踏まえて田舎暮らしを選ばれる方には、きっと素晴らしい、満足のいく生活になることでしょう。

【都市生活はやはり便利だが物価は高くなりがち】

さて都市での生活に戻ります。
大都市で暮らす生活よりも、地方都市で暮らす生活は一般的に物価が安くなるのは上記で述べた通りです。しかしながら同じマレーシア国内ですから物価の上昇潮流は変わりません。

2014年8月16日付け『マレーシアの新聞の記事から』を引用します:
「2014年の国内での消費者物価指数を見ると、第1四半期は 3.4%、第2四半期は3.3%の上昇でした。中央銀行Bank Negara総裁は、今年の消費者物価上昇率は 3%-4% になるとみている、と語る。」

消費者物価上昇率が3%を超えるというのは、2014年だけのことではありません、マレーシアの近年の傾向です。3%超という率は、4、5年位の期間でみるとかなりの物価上昇を実感する。消費者物価は、所得が低い層になればなるほどその上昇の影響を直撃するのはどの国でも同じですから、1人滞在で月10万円=RM 3000、夫婦滞在で月15万円=RM 4500という、この記事における想定者の場合も、じわじわとその影響を必ずや感じてきます。

追記:政府は2015年4月から物品サービス税、いわゆる消費税、を導入します、その税率は6%です。生活に必需な食品とサービスには税は掛からないと政府指導者は言明していますが、詳細はまだ発表されていません。
物品サービス税のような包括的な税は、中流層から低所得階層まで広く実際の影響を感じることになるであろうことは、読者の皆さんも同感されるでしょう。 以上追記

外国為替レート変動に直接さらされている、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者ですから、物価上昇率がこれ以上高くならないことを願うしかありません。

具体的にマレーシアの消費物品の価格はどれくらいだろうか、という読者の皆さんの興味に答えたのが、2013年10月01日付けで掲載した 『スーパーの広告でみる一般消費商品の画像と価格 』 記事です。クリックして開き商品の写真と値段をじっくりご覧ください。上記で書いたように、換算せずにリンギットで捉えるようにしましょう。

1人滞在で月10万円=RM 3000、夫婦滞在で 月15万円=RM 4500という想定者の場合、1  に住居賃貸料を総予算額の50%以下にする、2 に娯楽レジャーは余裕が出た時に限る、3  に食費関係の出費を抑え気味にする、これがまず大切なことでしょう。

1人滞在の場合、家賃をRM 2000にすれば、残りはRM 1000ですから、レジャー費などはまず捻出できない、RM 1000という額は食費関係と光熱費と外出に伴う公共交通費をまかなえるが、それ以上は苦しいでしょう。
ここは家賃をRM 1500位までに抑えて、いくらかの毎月の余裕を持たせる方がいいように思われる。 2人滞在の場合、RM 4500あれば1人予算よりも多少余裕があるでしょうが、家賃をRM 2千数百程度までに抑えないと、娯楽レジャー費などが捻出できなくなる。

【医療費の出費と保障の有無に気を付ける】

ここで注意しておかなければならないのは、医療費です。上記の『マレーシアの医療:公立医療施設と私立医療施設の説明』で説明しましたように、公立の医院へ行けば確かに安価に済むが、そのためにはかなりの忍耐と言語力がより必要です。

私立医院なら、軽い風邪や下痢でも1回の診察 RM 50を超える、医院や症状によってはRM 100近くになる場合もあるでしょう、さらに私立病院では専門医の診察は薬代を含めて1回の診察で数百リンギットは予期しておくべきです。

日本で加入した旅行者・滞在者保険でどこまで保障されるかです。手術後の事後通院は別にして、一般的通院治療はまず保障されないのではないでしょうか。さらに歯科の場合も保障されませんよね。
日本の国民健康保険が被保険者の全ての国外治療を保障してくれるようになっているとは思えません、自治体によっても適用の審査と基準に違いは出てくるのではないでしょうか。

入院手術というような場合は、日本で加入した旅行者・滞在者保険がカバーしてくれるが、こまごまとした必要経費は全てをまかなえない。そもそも手術というような場合は、日本へ戻って受けることを選択される方がほとんどでしょうし、イントラアジアもそれをお勧めしますので、ここでは問題とはなってきません。

問題は軽い病気や体調不良で医院や病院に時々かかる場合の医療費は、保障されないゆえに、俗な言葉で表現すれば”ばかにならない額になる”ということです。
そのためには毎月ある程度の額を手元に残しておくしかないでしょう。その額を娯楽レジャー費に使うか、医療費に使うかは、滞在者次第です。

【実際の可処分所得額を考慮すれば、想定額は低所得額とはならない】

統計面からいえば、月 RM 4500という額は、マレーシアの平均世帯月収入 RM 5900(2014年上半期の調査における仮発表値)よりも低い。なお州によって格差が大きいので、ある州ならこれぐらいが平均世帯収入となる。
しかし平均値よりも参考にすべき値は中央値ですね、それは収入のような統計では中央値のほうが平均値よりも優れているからです。
同じ調査・仮発表での世帯月収中央値は RM4258です。

この中央値を基に且つイントラアジアの経験を加えて評すれば、 1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500 という予算は、マレーシアの生活水準から言えば、特に悪くはない額です。

なぜなら、第1にマレーシアは平均世帯人員数が4人から5人の間にあること (約4.2人とのこと)、第2に日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者の間では子供の養育費や教育費を支出することはごく少数派のはずだからです。第3に一般国民(マレーシア人)と違って将来に備えて蓄える必要もない。つまり世帯人員数 4.2人よりずっと少ない1人のまたは2人の必要経費・費用に全てを回せるからです。

とはいえ、想定額は悠々自適で贅沢な暮らしを享受する額とは言い難い。高級な住宅に住み、高級車に乗り、しばしば高級レストランに足を運び、時には国内外のリゾートに滞在する、というような、画にかいたような優雅な引退生活が全く無理なことはおわかりですよね。

この予算額の暮らしは、(精神的贅沢ではなく)経済的贅沢とは無縁の、しかし経済的にはマレーシア国民の低所得階層の悩みとはかなり無縁の、生活になることでしょう。ただし病院にしばしば通うような状態となれば、それはまた別です。

【マレーシア暮らしで生ずるであろうメリットとデメリットをできるだけ認識しましょう】

では日本での地方都市暮らし、田舎暮らしと比べて、マレーシア暮らしはどういうメリットが感じられるのか、または何を期待されているのか、これが大いに重要な要因になります。
このブログをご覧になる皆さんの間でも、マレーシア生活に期待されること、イメージされることはそれぞれ異なるはずです。この予算額でできること、できないことをそれなりに理解されたうえで、この予算額でマレーシア暮らしするメリット、期待、目的をしっかりと認識されることが必要だと思います。

イントラアジアは前にも書いたように、マレーシアマイセカンドホームプログラムに興味ある方にマレーシア暮らしをお勧めします、ですから2009年以来このブログで膨大な文章を書いてきました、しかしマレーシア暮らしをするようにと説得はしません。



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