日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 近江守清宣 Kiyonobu Katana

2016-12-21 | 
刀 近江守清宣


刀 近江守清宣

 清宣は寛永頃の美濃刀工。はじめは戦国時代の美濃刀工に多くみられる兼の文字を冠した兼宣と銘していたが、多くの美濃刀工と同様に、後に改銘した。作風は、帽子が乱れて返るところに美濃伝の特徴が現れているものの、沸強く砂流し沸筋の働く相州伝。特にこの刀は反りが深く身幅広く、鋒延び加減でがっちりとした印象。江戸時代とはいえ寛永頃であり、戦国時代を生きた武士がまだ生きており、いつまた戦乱の時代に戻るかもしれぬ気配が濃厚であった。だから刀も実戦を想定したもの。江戸時代初期は相州伝の流行期。この刀も板目が強く意識されて肌立つ部分と小板目調の肌が混じり合って覇気に富んでいる。刃文は互の目が不定形に乱れ所々に耳形や矢筈形が感じられ、刃中には金線を伴う砂流し、沸筋が強く働く。腰元の大ぶりな彫刻も相州風。


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