日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 陸奥守忠吉 Tadayoshi-Mutsunokami Katana

2011-03-31 | 
刀 陸奥守忠吉

 
刀 銘 肥前國住陸奥守忠吉



 直刃出来ながら激しい沸の様子が窺える、三代陸奥の刀。元来は二尺四寸五分ほどであったものを磨り上げて二尺三寸に仕立て直している。地鉄は小板目鍛えに微細な地沸が付いており、小糠肌の典型。わずかに湾れた直刃調の焼刃は、一部二重刃状に沸が流れ、沸の粒子が大小に叢付いて帯となり、沸筋となって刃縁を装い、物打辺り殊に厚くついて激しさを増す。

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脇差 肥前國陸奥守忠吉 Tadayoshi-Mutsunokami Wakizashi

2011-03-26 | 脇差
脇差 陸奥守忠吉


脇差 銘 肥前國陸奥守忠吉





 三代陸奥と尊称された、肥前忠吉家正系の三代目忠吉は、二代の近江大掾忠廣の子。祖父が用いた忠吉銘を継ぎ、父の作を越えるべく頑強な印象のある世界観を鮮明にしたが故に人気も高い。地鉄は父に似て小板目肌が詰んで地沸付き、肥前の小糠肌の様相を強く示し、作風だけでなく技術の高さをよく示している。刃文は小沸の粒子が綺麗に揃った直刃と互の目乱刃。この脇差も、三代の特質、肥前刀の特質がよく現われている例。互の目は高低抑揚変化し、二つずつ連れごころとなる特徴も窺え、刃縁には小沸が流れるように付き、綺麗な砂流しとなって刃中を彩る。

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脇差 近江大掾藤原忠廣 Tadahiro Wakizashi

2011-03-22 | 脇差
脇差 近江大掾藤原忠廣

 
脇差 銘 近江大掾藤原忠廣



 一時代上がった慶長頃を想わせる、寸を控えて反りを深くし、重ねがっしりと造り込んだ脇差。寛文を経て延宝から元禄にかけての作と推測される。刀身の中ほどを過ぎるほどに大振りの剣を彫刻しており、何らかの製作意図があったものと考えられる。地鉄は緊密に詰み棲んだ小板目鍛えで、微細な地沸で覆われ、しっとりとした質感。刃文は直刃に湾れ交じりだが、刃中には沸が強く意識されている。沸筋が二重刃状に強く入り、大きく喰い違いがあり、姿格好と共に迫力満点。古作相州伝を念頭に置いてのものであろう。

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刀 近江大掾藤原忠廣 Tadahiro Katana

2011-03-10 | 
刀 近江大掾藤原忠廣


刀 銘 肥前國住近江大掾藤原忠廣



 わずかに湾れを交えた直刃出来の刀。小板目鍛えの地鉄は良く詰んで地沸が付くという掟通りで、これに顕著な地景が現われ、網目状に肌が起って見え、その強みも大きな鑑賞の要素となっている。浅く湾れた小沸出来の焼刃は白く明るく輝き、これも忠廣の優秀性を物語る要素。刃縁には金線を伴う砂流しが走り、刃中にはごく淡く匂の帯が砂流しのように流れており、これがこの刀の特質と言えよう。

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刀 近江大掾藤原忠廣 Tadahiro Katana

2011-03-08 | 
刀 近江大掾藤原忠廣


刀 銘 肥前國住近江大掾藤原忠廣



 なんて綺麗な直刃であろうか。近江大掾の作品を見るたびに感じること。大坂新刀とともに、姿と地鉄の美しさを競い合っている肥前新刀を代表する工である。この刀では、樋を掻いて姿を引き締めており、もちろん樋を掻くことによって重量が軽減されるのだが、大業物作者に指定されている切れ味の高さは減少することなく、より扱いやすくなり、剣術の使い手の重宝されたものと推測される。綺麗な小沸の帯になる直焼刃が最大の魅力である。



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脇差 近江大掾藤原忠廣 Tadahiro Wakizashi

2011-03-02 | 脇差
脇差 近江大掾藤原忠廣


脇差 銘 近江大掾藤原忠廣

 

 近江大掾忠廣の、逆がかった足が長く入る互の目出来の脇差。忠廣の互の目は、焼きの高さはほぼ揃い、足が長く入り、時に互の目が二つずつ連れて目玉のような葉が互の目の中に焼かれることがある。この脇差でもその特質が所々に窺える。造り込みはがっしりとしており、小板目鍛えの地鉄も良く詰んで潤い、細かな地沸が付いて特徴的肥前肌が鮮明。小沸と匂の焼刃が出入り激しく乱刃の魅力が横溢。帽子は掃き掛けを伴って先小丸に返る。

 
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