日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 兼貞 Kanesada Wakizashi

2016-12-16 | 脇差
脇差 兼貞

 
脇差 兼貞

 戦国時代後期天正頃の美濃の刀工。この時代には、美濃刀工も相州伝を採り入れた作を遺している。というより、相州伝が流行した時代と言うべきであろう。この作では、地鉄などには美濃の要素があり、刃文が直刃に互の目を交えた構成で、帽子は物打辺りの互の目から連続させた地蔵帽子で、先がわずかに掃き掛けている。かなり刃文構成を意識して整えている。現在考えれば江戸時代に近付いている。でも地鉄には古風な要素が強く残り、ザングリとした肌立つ様子が良く判る。斬れ味を追求し、しかも刃文構成にも独創を求めているのだ。一尺三寸弱で、反りが強く、身幅があるからいかにも実戦的な武器といった印象。戦乱の場を経巡った背景にも興味が及び、迫力がある。55□


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脇差 越後守包貞 Kanesada Wakizashi

2016-12-16 | 脇差
脇差 越後守包貞

 
脇差 越後守包貞

 大小の互の目に砂流の掛かる綺麗な刃文構成の脇差。越後守包貞の特徴的作。地鉄は良く詰んだ小板目鍛えで、細かな地沸が付いて潤い感がある。大坂新刀期を代表する刀工の高い技術が示されている。一尺五寸強で、大小揃えとされたもの。身幅たっぷりとして重ねは尋常。この工の出来の優れた作は比較的肉厚感がなく、刃先が鋭く仕立てられている。先幅もたっぷりとして鋒延び、総体がおおらか。綺麗に揃った沸の妙趣がこの作の見どころである。100□


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする