日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

短刀 直心斎兼虎 Kanetora Tanto

2016-12-06 | 短刀
短刀 直心斎兼虎


短刀 直心斎兼虎

 小振りに引き締まった短刀。刃長七寸、わずかに先反りが付いた菖蒲造りは、幕末から明治に間々みられるもので、懐に収め易い、いざという場合の守りの武器。兼虎は真雄の子で清麿の弟子。清麿ほど強い地景や金線を出さない小板目鍛えで良く詰み、地沸が厚く付いて刃文も沸の深い乱刃出来。真改や左行秀にみられるような焼刃である。穏やかに出入りする刃境にはほつれが掛かり、刃中に沸が厚く広がって刃先にまで至る。帽子は掃き掛けを伴って小丸に返る。小振りながら覇気に富んだ出来である。

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