日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

短刀 宮本包則 Kanenori Tanto

2019-10-23 | 短刀
短刀 宮本包則


短刀 宮本包則 明治二十六年

 宮本包則も帝室技芸員を拝命した名工の一人。伯耆国の出で、備前祐包から技術を学び、備前古伝の他、美濃風の作、相州伝なども手掛けているように作域が広い。この短刀は相州伝の影響を受けた則重を手本としたもの。近代的な面から洗練味がある一方で、激しい柾目交じりの板目鍛えが、まさに古作を見るようだ。水心子正秀の提唱で知られる復古意識は備前伝にとどまらない。相州伝もまた好まれて多くの刀工が試みている。地鉄を強く意識した製作方法は、一方で鍛え疵の発生につながるが、そこは高い技術でカバーしている。鮮明な地景が縦横に走る様子はこの短刀の生命になっている。刃文もまた沸が強く、互の目の形状が判然としない、相州古伝のままである。□






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1 コメント

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いにしえの言の葉 (鉄の道)
2024-08-19 10:25:24
古事記にもかいてあるよううに八百万の神々を生んだイザナミノミコトの女神は伯耆と出雲の堺比婆山に墓葬されたとあるが、このあたりは古い刀剣の話が多くのこっているようで、そういうことも思いながら見ると味わいもまた深いものですね。
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