日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 伯耆守信高 Nobutaka Wakizashi

2016-07-07 | 脇差
脇差 伯耆守信高


脇差 伯耆守信高

 二代目信高が活躍した時代は、寛永から寛文を経て貞享年間まで。時代的にごつい刀は比較的少なくなっているはずだが、信高には江戸時代最初期慶長頃のような脇差がある。美濃から移住した先の、武骨で知られる尾張の武士の求めに依るのであろう。この脇差も、一尺三寸半で、元先の身幅広く重ね厚くがっしりとして、姿だけでは慶長新刀と間違えてしまうほど。地鉄は小板目肌の中に板目がうすらと表れて地沸が前面に付く。矢筈風の刃文の所々に丸い玉状の飛焼を配した刃文構成も信高に間々見られる。沸深く強い焼刃に刃中の匂が組み合わされていかにも強靭で、刃味が良さそうだ。帽子は小丸返り。