日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 越前國住兼植 Kanetane Wakizashi

2016-07-12 | 脇差
脇差 越前國住兼植


脇差 越前國住兼植

 一尺強だから、現代では脇差に分類されるが、戦国期実用の時代には太刀や刀の添え差しとされ、咄嗟の場合の抜き打ちに用いたものであろう、頗る使い勝手が良さそうだ。反りも付いており、截断も効率的に行えそうだ。良業物に指定されているから斬れ味も良い。兼植は高い技術が評価されて美濃から越前に移住した工。この脇差は、身幅広く先もたっぷりとしており重ねも頑丈で、江戸時代最初期の造り込み。地鉄はザングリとして肌立ち、地沸が付いて強みが感じられる。焼刃は相州伝湾れ刃。沸が流れてほつれ掛かり、刃中には多くの文様を施さない、質実とした、いかにも実用の武器だ。


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