日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 越前國兼植 Kanetane Wakizashi

2016-07-13 | 脇差
脇差 越前國兼植

 
脇差 越前國兼植

 一尺七寸強の長い脇差。長脇差というと、江戸時代のやくざ者や商人の持ち物といった印象があるも、この作者の時代は江戸最初期、使い勝手の良さを追求した武士の持ち物に他ならない。式正の大小の寸法も少し時代が下がって定められているから、江戸時代に入ったとはいえ、まだまだ戦国の気風に下で作刀しており、長脇差は片手打ちの刀と同様に頗る実用的な武器であった。いかにも戦国武将の持ち物といった印象。截断を目的としたもので反り深く身幅広くがっちりとした造り込み。地鉄はザングリとして肉や筋を断ち切るに刃味が良さそうだ。刃文は湾れ刃。刃境に沸筋、金線、砂流しが掛かっており、相州伝を背景にしていることが分かる。刀身中ほどに至る大ぶりの彫物も相州伝の影響。
 
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