崖っぷちロー

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実況プレイ動画に適したゲーム?2

2008-12-11 01:28:24 | ニコニコ動画・ネットとか
つづきです。

4.権利者(制作者)との関係
 以前のエントリで言及したように、実況プレイ動画としてアップされることは、
 著作権者にとっては自己の権利利益を侵害される/されうるということである。
  実況プレイ動画と違法性
 
 ですから、基本的には実況プレイ動画として自社の権利をアップされることは、
 権利者(制作者)にとっては望ましくないはずである。

 しかし、ここでは、
 仮に権利者が実況プレイ動画の素材として自社のゲームを使用されることを認める場合、
 どのようなゲームソフトを実況されることが望ましいのか?ということを考えてみたい。

 そして、権利者=株式会社等の法人として念頭に置くのであれば、
 かかる権利者は営利性があり、利益を追及するのが基本的なスタンスであると考えられるから、
 どのようなゲームを実況プレイ動画の素材とされることが権利者の利益になるやすいか?
 具体的には、会社の利益の増加につながりやすいかどうか?
 という観点から考えるべきなんだろうかと思われます(=「親和性判断の観点」)

 これも、お決まりのように総合考慮ということになるのでしょうが、
 そこで考慮される要素を挙げてみますと……

 (1)ゲームの本質的な自由度の高低
  ゲームの自由度が高い場合は、他人のプレイとは異なるプレイの方法が多数存在するのであり、
  実況プレイ動画内のゲームの状態と同一の状況が再現されることはなくなる(=「一回性」)。

  そうしますと、他人(=実況者)がプレイしているのを見て、
  自分ならどのようにプレイするだろうか?ということを考えますし、
  自分でもやってみたいという気になりやすいように思われます。
  つまり、他人のプレイを見ただけでは満足しにくい。

  この意味では、ゲームのジャンルとしては、
  アクション・FPS、シミュレーション・RTS、シューティング、音げー、パズル、
  パーティーもの、レースゲームなどが、自由度が高く、一回性がある作品が多いように思われます。

   Ex.CIV・オブリ→戦略性に富み、自由度が高く、1回性がある。
      しかも、参入障壁を下げている。 (※参照 参入障壁について)
      参考として、プレイ動画が挙げられたCIVシリーズは、
      ニコニコ市場において2500本程度を売り上げている。

   Ex.囲炉裏組のマリオカート実況
     →1回性がある。しかも、遊び方のモデルを提示している。

  ※とはいえ、「自由度」とは何か?というのは極めてやっかいな問題のようです
   Critique Of Games ―ビデオゲームをめぐる問いと思索―

 (2)作品内におけるネタバレのウエイト
  これは(1)とかなり近いというか、裏返し的な要素でして、
  シナリオや(推理上の)トリックなどが作品において重要な位置づけにある場合、
  それを他人がしているのを見ることで、そのゲームの美味しい部分を得ることができますし、
  それだけで満足してしまう。

  そうすると、わざわざ視聴者が購入する必要は無くなってしまうため、
  権利者・制作者としては利益を逃す(=損害)を受けることになる。
  ゲームのジャンルとしては、ノベル系ADVやシナリオ重視のRPGなどでしょうか?

 (3)ゲームの発売からの経過時間
  1)新作と自由度に関連して
   新作が発売された直後(あるいは発売前)に実況プレイ動画として挙げられてしまうと、
   特に自由度が低い作品の場合、新作の販売本数の減少につながりかねず、
   権利者・制作者にとっては不利益である。

   他面、自由度の高いゲームの場合、
   実況プレイ動画を通してその魅力をアピールできた場合には、
   広告として機能し、発売本数が増加する可能性もある。

   そうすると、権利者・制作者としては、発売直後の新作ゲームであっても、
   RPGについては実況プレイ動画のアップを許諾しないが、
   レースゲームであれば許諾するという様な戦略をとることも考え得る。

  2)発売後相当期間が経過した場合
   いわゆる「新作」ゲームではなくなり、
   新しく新品で購入する消費者が期待しにくい/できなくなった段階においては、
   実況プレイ動画をあっぷすることで売り上げが減少するということは考えにくくなる。
  
   もっとも、時間が経てば実況プレイ動画がアップされるという環境が整い、周知されると、
   消費者は実況プレイ動画によって代替することへの期待を高めてしまうため、
   新作の販売本数は減少する危険性がある。

   また、昨今の情報環境の変化、すなわち、
   amazonn等の大量の在庫を抱えたネット通販という業態の躍進を考えた場合、
   細く長く商品が売れ続ける(=ロングテール)という状況がかなり見られる。

   そうすると、新作の売り上げを期待できる期間を徒過したと評価する時期が
   かなり後ろにずれ込んでくる可能性はあるように思われる。

  つづく。>3)ダウンロード販売との関連-バーチャルコンソール


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