先週のことになりますが、23日は日中平和友好条約が発効してから30年が経ちました。
条約が締結されたのは1978年8月12日で、条約が発効したのが同年10月23日です。
でも、日中平和友好条約の締結・発効というよりは、その6年前にた田中角栄と周恩来との間で締結された”日中共同声明”の方が印象としては強いのではないかと思います。
日中共同声明の締結は、1972年(昭和47年)9月29日です。
その前のニクソン大統領の訪中の方がインパクトがあったですね。日本人にとってはショックといってもいいかもしれません。
新聞の一面トップにでかでかとニクソン大統領と毛沢東国家主席が握手している写真が掲載されたものでした。
それはそれとして、今日の紹介は何となんとナント赤い豆単(懐かしいですね、旺文社の「赤尾の豆単」、お世話になりました。)ならぬ”毛主席語録”です。
写真を見て懐かしさを覚える人は少ないかもしれません。忌々しい思い出を持っている人が多いのかも。
ページをめくると、目次の前に ”万国のプロレタリア団結せよ” と書かれた一枚があります。次に ”毛主席語録 ★ 中華書店” 、さらに次葉には ”毛沢東の写真”、さらにさらにソ連に逃亡しようとして撃墜された林彪の言葉 ”毛主席の著作を読み、毛主席の話を聞き、毛主席の指示どおりに事をはこぼう。”と書かれたページがあり、目次へと続きます。
目次の項目は「一、共産党」から「三十三、学習」まで33の項目があります。
発行は1966年(昭和41年)11月です。 出版社は中日出版社。 出版社の住所は東京都杉並区本天沼となっています。 もちろん日本語版です。
私が入手したのは翌1967年4月4日に仙台市内の書店から、180円で購入しました。
そのころの中国は文化大革命(正確には「プロレタリア文化大革命」ですか)の嵐が吹き荒れていて、評価する者、評価しない者に分かれて日本でも大きな議論になったことを覚えています。
「紅衛兵」 「造反有理」 「反面教師」 「自立更生」 懐かしい言葉です。 紅衛兵が手に持っていたのが”毛主席語録”でした。
2枚目の写真の説明です。左上の本は中国語の本で、毛沢東の4つの著作 「新民主主義論」 「延安の文学・芸術座談会における講話」 「人民内部の矛盾を正しく処理する問題について」 「中国共産党全国宣伝工作会議における講話」が掲載されています。
1966年5月人民出版社版です。 日本で120円で購入しました。
右上の本は中国国際書店から贈られた、毛主席語録や写真が入っている手帳です。
いろいろ書きだしたらキリがないので止めますが、毛主席語録の「十七、人民に奉仕する」から、
『われわれのすべての幹部は、職務上の地位の高低をとわず、すべて人民の勤務員であり、われわれのやることは、すべて人民に奉仕することである。そうである以上、われわれに捨てきれないようなよくないものなどがあるであろうか。』
『われわれの責務は、人民にたいして責任をおうことである。一言一句、一つ一つの行動、一つ一つの政策がすべて人民の利益にかなっていなければならないし、もし誤りがあれば、かならずあらためなければならない。これが人民にたいして責任をおうということである。』
現実はどうなのでしょうか。中国共産党の幹部や中国人民解放軍の幹部は誠心誠意人民に奉仕しているといえるのでしょうか。富める者と貧しい者との圧倒的な格差は縮小され得るのでしょうか。
42年後の変貌は当時からは全く想像すらできなかったでしょう。 これからどうなっていくのか、目が離せません。