「プロ棋士にとって、囲碁ファンは神様。
囲碁ファンは神様なんですから、プロの指導碁をどんどん受けてほしい」
これは山部俊郎先生(プロ九段・故)のアドバイス。
囲碁は一人で勉強するもいいし、仲間内で研究するのもいい。しかし、同じ棋力同士では解決出来ない問題も多々としてあります。そこで、プロやトップアマといった実力者の指導を受ける事で、解決できなかった問題があっさりと分かったり、突然強くなるチャンスだって多々あります。
しかし、こんな事を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「自分はまだ弱いから、指導碁を受けても意味が無いかじゃないか」
怒られたり、バカにされたり、という心配でしょう。
強い人と碁を打つのは腕試しという意味もあります。しかし指導碁に限っては、
≪下手の上達のきっかけをつくる≫
事が目的なのです。ですので、仮に初級者がプロ相手に100目負けたとしても、決して恥かしい事ではありません。対局後、たとえ1つか2つであっても、指摘された事を身につける事が大切なのです。指導者は難解な事を一方的に教える事は滅多になく、重要な所を下手が理解しやすいように指摘するものです。
それに何より、負けた分は置石や逆コミで調整すればいいのですから。
では、指導者は下手のどこに注目し、指摘するのでしょうか。それを3カ条にしてご紹介いたします。
【1】改善点の指摘(基礎力のUp)
実戦を通じて、下手の特性をさぐり、その人の得意分野は何か、苦手分野は何かを探る。
苦手に関してはその原因を察し、失着を矯正し、克服するきっかけを与える。
また得意分野であっても、見過ごしている事も多々としてある。そこを指摘する事で長所を伸ばす。
【2】別案の提示(応用力のUp)
棋書や囲碁雑誌、ビデオなどの教材で学習すれば、色々な技を身につける事が出来る。
しかしそれらは、囲碁の真理からすればごく一部。また、これまでに開発されたもの全てが、本やビデオなどでアマチュアに発表されているわけではない。
そこで、下手がこれまで学んだ事が無いであろう方法を提示し、新しい世界を知ってもらう。
【3】棋力の正確な判定
同じ棋力を申請したとしても、人によって多少の差があるという。それは、これまでの対局数の違いであったり、教材などで学び身に付けた技術の量の違いなどでもある。
次に、ハンディキャップ。このくらいのハンデなら勝率はこのくらい。ご参考にしてください。
※これは、超一流のプロが一切手加減せず、また上手に悪手が一手も出なかったという場合です。
置石の目安
※高段プロ、多面打ちの場合。
アマ初段
6子局(&込みなし)で勝率5割。
4子局(&逆コミ20目)で勝率5割。
アマ5級
9子局(&逆コミ50目)で、勝率5割。アマ5段を想定して打つ場合。
7子局(&逆コミ70目)で、勝率5割。アマ3段を想定して打つ場合。
アマ10級
9子局(&逆コミ90目)で、勝率5割。アマ1級を想定して打つ場合。
7子局(&逆コミ110目)で、勝率5割。アマ3級を想定して打つ場合。
追 記
はじめて指導碁を受ける方は、日本棋院に電話でその旨をお伝えするといいでしょう。
よい先生を紹介していただけるものと思いますので。