帰省に飛行機を使うようになって久しい。
一人で帰省する事も何回かあって、そんな時は「こちらの人」から「あちらの人」になるのがちょっと寂しかった。
見送りのダンナはそのままいつものように仕事に行き、いつものような日常を送る。
小さい時に「そうか、私が死んでも世界は変わりなく動き続けるんだな。」って悟った時の気分に似ている。
こちらにもあちらにも大事な人達がいて、宙ぶらりんな空の上の宙ぶらりんな私は、成仏出来ない霊のような気分だ。
地に足がついていないせいか、空の上という状況のせいか、はたまた意識の中の「事故ったらこの世とおさらばだ。」という思いがそうさせるのか、とにかく機上の私はこの世の人間という自覚が薄くなる…。
で、あちらに着いてしまうと、今度は「あちら」が現実になり普段の生活が遠く感じるようになる。
なんかうまく言えないけど、とにかく飛行機の中は不思議な気持ちになるのですよ。
でも、なんとなく私がこの世を終えてもこんな感じなのかなって思うのです。
大事な「こちら」もそのまま存在して、懐かしい「あちら」も存在して、懐かしい面々に会う楽しみがあるというか…。
必ず来る、大切な人との別れ。
でも、いつかまた会えるんだろうなって、最近思えるのです。
思っている事の半分も伝えられていないけど、私がいつも空の上で思う事でした。
私もこの世の人でなくなることは、全然いい。しかし、やらねばならぬことを残しては逝かれまい。
楽しいことも・苦しいことも、たっぷり体験して行こうぞ!!