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カタールの首長アフリカ歴訪へ〜外交危機を超えたパートナーシップへ

2017-12-21 16:00:54 | アフリカ情勢
20日、カタールのタミム・ベン・アーメド・アルターニー首長は、西アフリカ6カ国の外遊に出発した。最初の訪問地はセネガル。続いてマリ、ギニアとここまで三日間で訪問し、その後さらにブルキナファソ、コートジボワール、ガーナと外遊を続ける計画だ。

(RFIウェブサイトより)


カタールといえば半年前の6月、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトなど中東諸国が相次いで断交するという、いわゆる「外交危機」に直面し、現在も緊張が継続する。

カタールは、以前よりイスラム武装勢力に対する資金的支援を行なっているのではないか、との疑惑がかけられてきた。またワッハーブ派を基礎とする湾岸諸国において亀裂が生じていたことも報じられていた。特にイスラーム法の適用、親イラン路線の外交姿勢、メディアの論調などで、カタールが調和を乱す要因になってきた。

アフリカ諸国も断交や在外公館の閉鎖、大使の召還、その他制裁などの措置に出た。モーリタニアは、他の湾岸諸国に同調して外交関係を断絶。ニジェールやチャドは大使召還の措置をとった。

アフリカに広がるカタールショック

そもそもカタールは、アフリカ諸国に多額の経済的支援を与えるとともに、ワッハーブ派の普及に資するモスク建設などの「開発・教育支援」を行ってきた。また近年ではサヘル地域のイスラム武装勢力に資金を流し、支援していると見られてきた。2013年、マリのイブラヒム・ブバカル・ケイタ大統領(IBK)は、就任直後に「犬猿」の中にあったモーリタニアに初の外遊、その足でカタールを訪問し、テロ組織支援をやめるよう要請したと言われている。


今回の外遊は、カタール外交をめぐる緊張冷めやらぬ中、パートナー関係の確認と拡大、経済文化などの関係の多様化、特に経済面での結びつきの強化が狙いだ。

はじめの訪問先であるセネガルは、カタールとは複雑な関係がある。カタール外交危機では、セネガルは総領事を一時召還した。他方、カタールはセネガルに対して種々の経済支援を行ってきた。特に2008年のイスラム諸国首脳会議(OCI)前後に進んだ、ダカールの大規模公共事業において、多額の支援を惜しまなかった。カタールとアブドゥライ・ワッド大統領の関係は極めて有効に満ちたものであったという。

当時この一連の大規模公共事業において、大きな権限と影響力有してきたのが、ワッド大統領の子息、カリム・ワッド氏であった。彼は大統領選挙においてもワッド政策の汚点の象徴とされ、ワッド大統領下野ののち、2013年にカリム氏は逮捕、拘留。その後裁判プロセスを踏むが、2016年の同氏の釈放にカタールが大きく関与したとされる。カリム氏は釈放後、直ちにカタールに渡り、現在も身を置くとされる。


カタールとアフリカをめぐる複雑な関係。今回の外遊ではどこまで危機を乗り越えた関係強化が図れるか、注目が集まる。

(おわり)

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