10日未明、コンゴ民主共和国独立選挙管理委員会(CENI)は、先月30日に投票が行われた大統領選挙の開票を速報。野党のフェリックス・チセケディ候補が当選した、と発表した。
(Radio Okapi.netより。写真をクリックすると、記事に飛びます。)
発表によれば、投票率は47.56%、有効投票数は1828万票あまり。
トップは野党・統一候補離脱組のフェリックス・チセケディ候補で38.57%を得票、トップに立った。次いで、野党統一候補のマルタン・ファユル氏で34.8%、与党候補のエマニュエル・ラマザニ・シャダリーは23.8%となっている。
投票結果は今後三日間に修正が行われる留保つきである。またその後は、憲法裁判所における承認手続きが行われ、15日までに結果が発表され、18日に新大統領の就任式との運びとなる。
・・・その通りに事が運べば、の話。この通りにはいかないだろう。
現段階で論評を行うことはまだ早いかもしれないが三つほど懸念がある。
第一は、選挙の「独立性」について。今次の独立選挙管理委員会の発表は、国際社会の圧力と監視のもと、選挙オペレーションに一定の「独立性」が保たれていたことを示しているといえそうだ。しかし問題はその後。憲法上は、憲法裁判所の裁定を待つこととなる。憲法裁判所の独立性はどうなのか。2010年のコートジボワール、2016年のガボンなどでも大きな問題となったのは、憲法裁判所、つまり司法の独立性である。
第二は、もし開票結果が概ね正しかったとした場合、いずれにせよ与党・カビラ政権は有権者から否定されたこととなる。一度このような発表がなされた以上、憲法裁判所が、やっぱり独立選挙管理委員会の発表は正しくなかった、とひっくり返すことは、国内外の世論からしてもかなり難しいであろう。
第三は、それでも現与党が下野を認めない場合、軍・治安部隊を発動し、実力で政権維持を追求するリスクがある。野党側は激しく抵抗、大きな衝突と混乱が生じるであろう。実力部隊は圧倒的に現与党政権が有している。他方、コンゴ国内における武器の存在も噂されてきた。これが最も嫌なシナリオである。
ここからの一〜二週間、コンゴ大統領選挙の総決算が問われることになる。以上、ンボテ速報でした。
(つづく)
(Radio Okapi.netより。写真をクリックすると、記事に飛びます。)
発表によれば、投票率は47.56%、有効投票数は1828万票あまり。
トップは野党・統一候補離脱組のフェリックス・チセケディ候補で38.57%を得票、トップに立った。次いで、野党統一候補のマルタン・ファユル氏で34.8%、与党候補のエマニュエル・ラマザニ・シャダリーは23.8%となっている。
投票結果は今後三日間に修正が行われる留保つきである。またその後は、憲法裁判所における承認手続きが行われ、15日までに結果が発表され、18日に新大統領の就任式との運びとなる。
・・・その通りに事が運べば、の話。この通りにはいかないだろう。
現段階で論評を行うことはまだ早いかもしれないが三つほど懸念がある。
第一は、選挙の「独立性」について。今次の独立選挙管理委員会の発表は、国際社会の圧力と監視のもと、選挙オペレーションに一定の「独立性」が保たれていたことを示しているといえそうだ。しかし問題はその後。憲法上は、憲法裁判所の裁定を待つこととなる。憲法裁判所の独立性はどうなのか。2010年のコートジボワール、2016年のガボンなどでも大きな問題となったのは、憲法裁判所、つまり司法の独立性である。
第二は、もし開票結果が概ね正しかったとした場合、いずれにせよ与党・カビラ政権は有権者から否定されたこととなる。一度このような発表がなされた以上、憲法裁判所が、やっぱり独立選挙管理委員会の発表は正しくなかった、とひっくり返すことは、国内外の世論からしてもかなり難しいであろう。
第三は、それでも現与党が下野を認めない場合、軍・治安部隊を発動し、実力で政権維持を追求するリスクがある。野党側は激しく抵抗、大きな衝突と混乱が生じるであろう。実力部隊は圧倒的に現与党政権が有している。他方、コンゴ国内における武器の存在も噂されてきた。これが最も嫌なシナリオである。
ここからの一〜二週間、コンゴ大統領選挙の総決算が問われることになる。以上、ンボテ速報でした。
(つづく)