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コートジボワールのビール事情(2)〜勃発・ビール戦争?!

2017-03-27 07:30:06 | アフリカごはんとビール
昨日からご紹介しているコートジボワール・ビール事情について。7つのトラディショナルなマークに加え、3つの別の銘柄がある、と述べた。いささか大げさながら、百花繚乱のビール文化だ。

第一話 百花繚乱の銘柄

さて「あと3つ」と述べた銘柄。1つは、その名も'Number One'(ナンバーワン)。


2つ目は、'Gold 5.5'というブランド。

この2つは、この絵を見てもわかるように「兄弟ブランド」だ。

そして最後の1つは昨年2016年11月に年末商戦をにらみリリースされた新鋭ブランド、'Ivoire'だ。

特に大衆食堂、バラックやテントの青空食堂、こちらでは'maquis'(マキ)というが、ここで多く消費される。


チョイスの幅が増えるのは消費者にとってありがたいこと。しかしここには業界の激しいせめぎ合いが見て取れる。


第一話で述べた「7つのトラディショナルな銘柄」、なぜここを切り分けたかといえば、実はこの7つ、どれも'Solibra社'(ソリブラ社)が製造しているからだ。正式名を'Société de Limonaderies et brasseries d’Afrique'(アフリカ清涼飲料水・ビール会社)という。仏系カステルグループ、BGI社(Brasseries et Glacières Internationales: 国際ビール・氷菓会社)配下で、長年にわたりコートジボワールの飲料市場を支配、特にビール市場は、事実上独占状態であったのだ。いわば「ソリブラ帝国」。

そこに殴り込みをかけたのが、上記の新ブランド「イボワール」をプロデュースした新鋭ビール会社、'Brassivoire社'(ブラジボワール社)だ。そのバックには仏蘭系のハイネケン社がつくばかりでなく、かのCFAO社がこれを強力に推している。

CFAO社とは西アフリカで絶大な商圏を保持するフランス系の総合商社。日本の豊田通商が買収したことは、当地アフリカでも大きな衝撃が走った。なぜなら、CFAOとは'Compagnie Française de l'Afrique de l'Ouest'、つまり、「西アフリカ・フランス会社」の略だ。世界史で出てくる、かの「東インド会社」を買ってしまったようなものだ。


そして、上記の兄弟銘柄、'Gold 5.5'と'Number One'は同じ醸造メーカー、'LBI社'(Les Brasseries Ivoiriennes: イボワリアン・ビール会社)が製造している。いや、していた、かな。


というのも、まさにビール戦国時代の関ヶ原はここで始まった。挑戦者ブラジボワール社による「ビール戦争」の宣戦布告は、2015年のことだった。

(つづく)

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