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コートジボワールのビール事情(3)〜業界絵図に異状あり!

2017-03-28 07:30:11 | アフリカごはんとビール
コートジボワールのビール事情、第三話。百花繚乱に花咲く、というほどではないかもしれないが、コートジボワールのビールチョイスは多い。その裏側では、二大ブラッスリーによるいわば「ビール戦争」が勃発している。1つはカステル・グループの老舗、ソリブラ社。もう1つは新鋭、ハイネケン・CFAO連合によるブラジボワール社。

(前回までのお話)
第一話 百花繚乱のブランド
第二話 勃発・ビール戦争?!


ビール販売戦略には4つのPがあるという。1つ目はProduis=マーケティング。2つ目はPrix=価格。3つ目がProcessus de distribution、つまり流通。4つ目がPublicité=コミュニケーション。この4Pをめぐる戦いが舞台裏で進行している。


コトの起こりは2015年。カステルグループBGI社による業界再編を呼ぶ買収だ。それまで、上記の'Number One'と'Gold 5.5'の2つの銘柄は、Eurofinグループの 'LBI社'(Les Brasseries Ivoiriennes: イボワリアン・ビール会社)が製造。市場で10%ほどのシェアを誇っていた。しかし同社長の逝去のタイミングで事業権取得の買収。ソリブラ社の絶対的地位を確たるものにした、ということだ。

コートジボワールのビールマーケットの規模は約30億リットル。ソリブラ社は毎年約20億リットル以上のビールを製造しており、実際のシェアは9割を保持していると見られている。

これに対するハイネケン・CFAO連合「ブラジボワール社」、アビジャン郊外のヨプゴンにあるPK17工業地区に1000億フランCFA(約200億円)をかけて新工場を建設。すでに16億リットルの製造力を整備したといわれる。フルで稼働すれば、需要の半分を満たすことができるわけで、本気度がうかがえる。2016年の最大の製造業投資となったそう。

ブラジボワールのイチオシブランドが前述の「イヴォワール」。「何もかもが新しい、コートジボワール産のビール」が売り。600mlの黄色いビール、見た目に変わりは感じられないが、ポップとトウモロコシに加え、国産米が使われている。ターゲットはこれまでソリブラ社の国産ブランド「ボック」を飲んできた庶民層だ。昨年の11月のリリースから2ヶ月、年間広告費の6割を集中させ、一気に販売促進を畳みかける。

(ソリブラ社工場の前に挑戦状?!イボワールの広告)



この結果、2016年のLBI社の年間売り上げは1.25億フランCFA、うち7,770万フランCFAを2ヶ月で生み出した。コートジボワールのビール市場規模7.32億フランCFAと対比すると、その急速な展開が見て取れるだろう。そしてすでにソリブラブランドの4つのブランド、ボーフォール、トゥボルグ、ボック、ギネスを抜き去ったという。そして今年はソリブラ帝国の本丸に攻め込む構えだ


コートジボワールのビール事情、業界の乱はホットに燃え盛るが、ビールはキンキンに冷やして、美味しいものにしていただきたい。

(おわり)

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