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第二次ビール戦争?!〜ブラザビルとブアケの遠くて近い戦い アフリカのビール事情(8)

2018-10-16 09:30:00 | アフリカごはんとビール
きょうもたくさんの重要トピックが尽きない、西アフリカ。でもここのところ少し重たい話題が続いてきたので、少し軽めに。

ビール王国、二つのコンゴ。キンシャサトブラザヴィルのビール事情についてはこれまでもたくさんの記事をご紹介してきたところ。(ご関心の方は、ぜひこのカテゴリー記事をご参照あれ。)

さてそのブラザヴィル、コンゴ共和国。商業大臣がこの度、一風変わったお触れ書きを発出した。

「ビールの販売促進キャンペーン自粛について」
ひとことで言えば、ビールやアルコール類は健康、特に青少年の健康によくないので、今後はビールの販売促進キャンペーンや安売りセールとか、キャンペーンは禁止します。そういう内容だ。

というのも、ブラザヴィルではこれまでひと瓶1,500フランCFAだったビールが、1,000フランに値下げの上供されているという。飲み過ぎのシーンが大臣の目に止まったらしい。

「200ページの学習ノートより、ビールの方が安いではないか。このような状況は、若者の向学心をくじくものだ。」と政府当局。

これに対し「そりゃいいことだけど・・・・ちょっと手遅れ」とは、消費者保護団体の事務局長。ビールの価格破壊はすでに隅々まで浸透してしまっているからだ。


かたや西アフリカはコートジボワール。第二の都市ブアケでは、'Bouaké, Festival de la Bock!'、庶民の人気ビール、BOCKビール祭りが開催された。
時折しも、このブアケでアフリカカップサッカー予選、対中央アフリカ共和国代表戦が予定されていた。
人気のクペ・デカレ・ディスコタイム、ミスBockコンテスト、コンサート&ライブなど盛りだくさん。国民の英雄、サッカーのドログバをメイン広告に起用しての過熱ぶり。

(Bouaké, Festival de la Bock!バナー、Abidjan.Showウェブサイトより)



実はこの二つの動き、一見別に見えて、連動している。

仏語圏アフリカでは、これまでフランス系のカステルグループがビール市場を有利に支配してきた。これに対し、オランダ系のハイネケングループこれに追随。ビール戦争の様相を呈している。そして両者がシェアと売り上げを巡り、激しく対立している。その策は、一つは派手な販売促進キャンペーンの強化。もう一つはダンピングである。

ブラザヴィルでのビールのダンピング、特にBrasseries du Congo (Brasco)が先導して始まったという。Brascoはハイネケングループ、Primus、Ngokなど人気の地元系ビールを生産する。対するBRALICO(Brasseries et Limonaderies du Congo)はカステルグループ。おなじみ、クラシックラベルのFlag、Castel、33 Export、Beaufortなどを擁する。
アフリカのビール事情(6)~ビール進化系、ラベルのおはなし

かたやコートジボワール。市場を独占してきたのはカステルグループのSolibra(Société de Limonaderies et de Brasseries d'Afrique)。Flag、Castelはもちろん、前出のBockは当地の最もポピュラーなビールだ。ここに挑戦状を叩きつけているのがハイネケングループのBrassivoire。新興ブラッスリーで、新ブランドIvoireで市場参入。愛国心と好奇心をくすぐり大ブレーク下が、ここへきてBockの大逆襲を受けている。さながら第二次ビール戦争だ。
コートジボワールのビール事情(3)〜業界絵図に異状あり!

先日、業界関係筋の人から「値段はいくら下げてもいい、とにかく販売を促進しろ、シェアを持っていかれるな、とのプレッシャーがきつい。」との話を耳にした。毎日が決戦である。


遠く離れた二つの都市、しかしそこでは同じ市場戦争が繰り広げられている。ビールなだけに、コンゴの大臣のお触れまで、泡と消えてなくなってしまわないか、気になるところだが・・・。



(おわり)


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