ここのところすっかりマリ色に染まってしまったンボテブログ。しかし今週末にはとても大切な行事が二つある。
その一つが29日(日)に予定されるブルキナファソの大統領選挙だ。550万人の有権者が17,000箇所の投票所に足を運ぶ。過去、この国でこれほどまでにオープンな選挙が行われたことはない。
ブルキナファソで起きてきたことについては、これまでも繰り返しご紹介してきた。27年にわたるブレーズ・コンパオレ体制を国民革命で倒壊させたのが昨年、2014年の10月31日。民意の勝利と思いきや、横から政権を奪った国軍によるクーデター。政変勢力を排除できないままに暫定政権が発足、2015年10月の選挙を目指してきた。
しかしその直前、またもや政変未遂劇が旧コンパオレ派の大統領警護隊(RSP)によって引き起こされると、再び混乱に陥る。周辺国の仲裁を得て危機を回避、クーデターは未遂に終わり、再び11月の大統領選挙、つまり今回の選挙を目指すこととなったのだ。
ブルキナファソはどこへ?~ンボテ的考察
アフリカ誌では今回の選挙のポイントが論じられている。
大統領選挙への立候補者は14名。特に注目の候補としては、変革と前進のための連合(UPC)ゼフィラン・ディアブレ候補、前進のための国民運動(MPP)のロシュ・マルク・クリスチャン・カボレ候補。この50歳代の二氏が決選投票に進むものとみられている。
ディアブレ候補は経済界のバックグラウンド。仏系ビールメーカー・カステルやウラン鉱のアレバ社、民間経済団体(MEDEF)、国連開発計画(PNUD)の副総裁などを歴任。コンパオレ政権でも商業大臣、経済財政大臣、経済担当大統領顧問なども務めている。
クリスチャン・カボレ候補はその昔、トマ・サンカラの革命を支えた。1987年に政変を経てブレーズ・コンパオレが政権に着くと、コンパオレ政権下で首相、大統領与党のCDP幹事長をはじめとした、政・党にわたる要職に就く。しかしコンパオレ政権倒壊前の2012年、政権からもCDPからも身を引いた。
どちらもコンパオレ政権で閣僚まで務めた人物ということになる。他方、もうひと1人有力候補がいた。コンパオレ積極地域外交を支えたジブリ・バソレ元外相、やはりコンパオレ政権での要職経験者だ。しかし選挙前夜に囚われの身になった。このことは過去記事でも触れているのでご関心の方はこちらから。
コートジボワールとブルキナファソの不穏な関係~ソロとジダ
第一話
第二話
今回の選挙は、大統領選挙のみならず、国民議会選挙も同時に行われる、いわばダブル選挙だ。127議席を比例代表制で各党候補者優先順位リストに基づき割り当てられる。
過去このような形でダブル選挙が行われたことはないそうだ。今回は財政上の理由からこのような形となった。なんでも今回の選挙には350億フランCFA(70億円)を要している。仏、EU、米などが支援した。2016年1月には地方選挙も見込まれているが、先送りとなる公算が強いという。
独立選挙委員会によれば、若干の遅れの可能性はあるが、11月30日にも暫定結果の発表を行いたいとしている。過半数の得票を得た候補がいなかった場合には、決選投票に進む。投票日を事前に特定することはできないが、第一回目投票の結果確定から15日以内に行われるとの規定になっている。異議申し立ての手続きがもつれれば、選挙日程は後ろ倒しになる。
乱高下の政情を繰り返してきたブルキナファソ。しかしその中にもいつも民意と良心が見せられてきた。今回は事実上初の自由選挙。「高潔な人々の国」の良心に再び期待したい。
(おわり)
その一つが29日(日)に予定されるブルキナファソの大統領選挙だ。550万人の有権者が17,000箇所の投票所に足を運ぶ。過去、この国でこれほどまでにオープンな選挙が行われたことはない。
ブルキナファソで起きてきたことについては、これまでも繰り返しご紹介してきた。27年にわたるブレーズ・コンパオレ体制を国民革命で倒壊させたのが昨年、2014年の10月31日。民意の勝利と思いきや、横から政権を奪った国軍によるクーデター。政変勢力を排除できないままに暫定政権が発足、2015年10月の選挙を目指してきた。
しかしその直前、またもや政変未遂劇が旧コンパオレ派の大統領警護隊(RSP)によって引き起こされると、再び混乱に陥る。周辺国の仲裁を得て危機を回避、クーデターは未遂に終わり、再び11月の大統領選挙、つまり今回の選挙を目指すこととなったのだ。
ブルキナファソはどこへ?~ンボテ的考察
アフリカ誌では今回の選挙のポイントが論じられている。
大統領選挙への立候補者は14名。特に注目の候補としては、変革と前進のための連合(UPC)ゼフィラン・ディアブレ候補、前進のための国民運動(MPP)のロシュ・マルク・クリスチャン・カボレ候補。この50歳代の二氏が決選投票に進むものとみられている。
ディアブレ候補は経済界のバックグラウンド。仏系ビールメーカー・カステルやウラン鉱のアレバ社、民間経済団体(MEDEF)、国連開発計画(PNUD)の副総裁などを歴任。コンパオレ政権でも商業大臣、経済財政大臣、経済担当大統領顧問なども務めている。
クリスチャン・カボレ候補はその昔、トマ・サンカラの革命を支えた。1987年に政変を経てブレーズ・コンパオレが政権に着くと、コンパオレ政権下で首相、大統領与党のCDP幹事長をはじめとした、政・党にわたる要職に就く。しかしコンパオレ政権倒壊前の2012年、政権からもCDPからも身を引いた。
どちらもコンパオレ政権で閣僚まで務めた人物ということになる。他方、もうひと1人有力候補がいた。コンパオレ積極地域外交を支えたジブリ・バソレ元外相、やはりコンパオレ政権での要職経験者だ。しかし選挙前夜に囚われの身になった。このことは過去記事でも触れているのでご関心の方はこちらから。
コートジボワールとブルキナファソの不穏な関係~ソロとジダ
第一話
第二話
今回の選挙は、大統領選挙のみならず、国民議会選挙も同時に行われる、いわばダブル選挙だ。127議席を比例代表制で各党候補者優先順位リストに基づき割り当てられる。
過去このような形でダブル選挙が行われたことはないそうだ。今回は財政上の理由からこのような形となった。なんでも今回の選挙には350億フランCFA(70億円)を要している。仏、EU、米などが支援した。2016年1月には地方選挙も見込まれているが、先送りとなる公算が強いという。
独立選挙委員会によれば、若干の遅れの可能性はあるが、11月30日にも暫定結果の発表を行いたいとしている。過半数の得票を得た候補がいなかった場合には、決選投票に進む。投票日を事前に特定することはできないが、第一回目投票の結果確定から15日以内に行われるとの規定になっている。異議申し立ての手続きがもつれれば、選挙日程は後ろ倒しになる。
乱高下の政情を繰り返してきたブルキナファソ。しかしその中にもいつも民意と良心が見せられてきた。今回は事実上初の自由選挙。「高潔な人々の国」の良心に再び期待したい。
(おわり)
ブルキナファソといえば、世界屈指の貧しい国ですね。昔、私がまだ韓国屋さんだった頃、北朝鮮がせっせと援助していた国として見聞きしたことがありました。でも、“ぶるきなぱそ”ってどこだろう? って、ピンとは来ませんでしたね、あの頃は^^;