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ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

コンゴ・カタンガ州(後編)

2013-06-25 07:30:14 | アフリカ情勢
そもそもビールばなしから軽く始めたカタンガトーク。例によって、かなり重いものとなってしまった笑。そして、今日は現代カタンガの世界。

カタンガと言って、触れない訳にはいかない超重要人物。それはモイーズ・カツンビ(Moise KATUMBI)州知事である。彼は行政を司る州の知事というよりは、カタンガのビジネスを隆盛させる実業家のような人物。その手腕と実力はカタンガ州の住民の支持のみならず、広くアフリカビジネス界に名を轟かせる。彼の周辺を描いたテュエリー・ミッシェル(THIERRY MICHEL)監督のドキュメント、「カタンガ・ビジネス」(2009年、ベルギー)は、2011年のマグリット賞ドキュメント映画部門最優秀作品に輝いた。さらに、2010年サッカーのクラブワールドカップ決勝で、惜しくもインテルに破れたコンゴのサッカークラブチーム「TPマゼンベ」は、このモイズ・カツンビがオーナーである(→こちらの記事を参照)。

(カタンガ・ビジネス。私は、カツンビ×テュエリーの組み合わせに萌え、DVDが出ると同時に手にいれた。残念ながら邦訳はまだ出ていない。)


彼の思考は合理的にして現実的。実力者にして情熱家。カタンガを開かれた、国際標準にあう産業地域として発展させて行くために尽力を惜しまない。しかしこの実力、手腕が彼の前に壁となって立ちはだかる。彼が野望を抱けば、国民の支持を得た統治者に選出されることは難しいことではないだろう。

ゆえに、キンシャサの中央政府は、カツンビを恐れている。彼には政治の道具を与えない。現在、カタンガ開発のために、キンシャサからカタンガには金がほとんど流れていない。もちろん、資源の「あがり」はキンシャサから吸い上げられるのだが、カタンガは自らの資源で潤っているのだ。

現在、コンゴでは11の州をさらに26州とする地方分権化の案が提起されている。この分権化、税収を国でいったん吸い上げ、各州に再分配(retrocession)するという制度が前提となっているが。簡単にいえば、カタンガの稼ぎを、他の州で分けあうというものだ。

そういう点で、カタンガはキンシャサの政権にはほとんだなにも期待していないと言ってもいいだろう。そのために中国の投資・借款計画による事業にも煮え湯を飲んで手を出してきた。そんな中で、きょうもカタンガは独自路線を歩み続ける。

カツンビは大統領選への立候補にも、知事の続投にも関心はないと述べているが、彼の動向にコンゴの政界、アフリカの経済界は注目している。

いかん、またまたカタンガ萌えしてしまった。ビールばなしなだけに、後味が苦すぎた!

(カタンガ州都、ルブンバシ中央部に位置する象の像(シャレではないが・・・)


◆ンボテ★飯村出演情報
JICAホームページ【ひと模様】ンボテ★アフリカ、トポ・ナ・コンゴ!
Japan Times TICAD V Special
ニコ生「藤岡みなみのI don't know Africa~発見アフリカ54の国~」(全編おまとめログ)


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