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中部アフリカの二つの選挙〜ガボン、サントメプリンシペの国民議会選挙

2018-10-07 07:30:00 | アフリカ情勢
アフリカはプチ選挙ラッシュ。先日、ンボテブログでもご紹介したとおり、きょうはカメルーンの大統領選挙だ。

カメルーン、そして大統領選挙へ〜サプライズか、茶番か。

この選挙についてはまた投票結果をこの先追っていくことにしたい。さて、この中部アフリカのご近所国で、ひっそりと(でもないのだが)進む、二つの選挙がある。


一つは6日(土)に投票が行われたガボンの国民議会選挙、地方議会選挙だ。

(Jeune Afriqueウェブサイト)



ガボンといえば、2016年の大統領選挙が荒れに荒れた。現職アリ・ボンゴ大統領に挑んだ野党ジャン・ピン候補。投票結果を巡り、両者が当選を主張、首都リーブルヴィルをはじめ各地で衝突が発生した。死傷者も多数発生した。その様子は、このブログでもちょうど2年前にシリーズでルポさせていただいた。

【続報】ガボン大統領選挙(12)〜リーブルビルはモヤの中

ガボン憲法上の手続きに従い、憲法裁判所が選挙結果を確定。アリ・ボンゴ大統領の再選となった。しかしガボンのみならず、アフリカの国では司法の独立には大きな疑義がある。当然、ジャン・ピン候補は憲法裁判所の決定を受け入れなかった。

今回のガボンの国民議会選挙は、この2016年の一件ののち、初めて行われる選挙である。68万人の有権者が三度延期された選挙の投票に向かう。選挙の争点は、2016年大統領選挙の真の勝者を決するところにある。・・・・はずであったが、今回、現在に至るまで自らが正当な当選者であると主張している。野党ジャン・ピン陣営はボイコット。その他野党もまとまりを欠き、与党ガボン民主主義党(Parti démocratique gabonais:PDG)優勢の結果の見えた選挙。投票も低調だったと伝えられる。

時折しも、国際刑事裁判所(CPI)が2016年大統領選挙後危機における蛮行に関する野党陣営方の告発を「棄却する」と発表した矢先。2023年の大統領任期に向け、アリ・ボンゴ体制の地固めが行われたと見えようか。


もう一つの選挙はといえば・・・これを日本語で話題にしているのはこのブログ以外、そうそうないだろう笑。ガボンの沖合、ギニア湾に浮かぶ小さな島国、サントメプリンシペである。

(サントメプリンシペメディア、TÉLA NÓNウェブサイト)


7日(日)を投票期日とするやはりダブル選挙で、人口20万人、有権者9万人が、任期4年の国民議会議員55人と、それぞれの地方議会の議員を選出する。半大統領制、議院内閣制併用の同国では、大統領選挙と並ぶ重要な国政選挙となる。大統領の任期は5年。首相は国民議会が選出し、大統領が任命する。

同国の国政は、二大政党が主導する。一つは1975年の独立以来、唯一の政党であったサントメ・プリンシペ解放運動社会民主党 (Movimento de Libertação de São Tomé e Príncipe-Partido Social Democrata: MLSTP-PSD)、もう一つは1991年の複数政党制導入後、MLSTP-PSDと対峙してきた独立民主行動(Acção Democrática Independente: ADI) である。現在のエヴァリスト・カラバーリョ大統領、パトリス・トロヴォアダ首相ともADIの出自。大統領は2016年から、首相はピント・ダ・コスタ前大統領の時代、2014年から地位にある。

中道右派のADIは、目下イケイケの経済政策を推進。5-5.5%台のなかなかの経済成長率をマークしている。選挙戦でも成長戦略を前面にアピール。万が一、大統領と立法府のねじれが生じる「コアビタシオン」が生じれば、大統領の立場は一層展開は苦しくなる。

対する下野の身に甘んじているMLSTP-PSDは、保健、教育、雇用などを優先すべきと訴える。そして野党のメディア独占と、国費の選挙費用への流用を糾弾する。

小さな南の島の熱い戦いは、たった12人の国際監視団のもと、きょう勝敗を決する投票が行われる。

(おわり)


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