京阪の駅のホームで電車を待ちながら、
桜の花びらが順番に、風にのって踊っているのを見ました
くるくるしたりひらひらしたり、地面に下りるとき、
「ああ、楽しかった!」って言ってるかも知れないな
うららかな春の午後に似合いそうな曲を思い浮かべてみましたよ
フォーレの曲は、あまりたくさん弾いていませんが、
これはその中で、ずっと昔に、一番初めに勉強した曲です。
作風がだんだん変わっていくフォーレですが、
比較的初めの頃のこの作品では、まだ明るく屈託のなさや憧れが感じられ、美しい曲です。
左手の、くり返される音型の上に、のびやかに右手が歌う、初めのテーマAの部分と、
心の内にいろいろ問いかけて、進むか迷っているみたいに、転調をくりかえしていくBの部分、
再現部の前の経過句の、(お借りした動画では2分40秒あたりからです。)
「ミラシレ ミラシミ ラシミミ ファレシラ 」(すべての音に、♭が付きます)の部分が、
日本のお琴のようで、とても印象に残り、
そのあと冒頭の左手の音型となじんで、AとBのテーマが交互にのぞいて、曲はコーダに向かいます。
最後のカデンツだけは、ちょっとストレート過ぎて、もう一ひねりしてあったらなあという気もしますが、
私が桜の季節に弾いたから、勝手にそう思うのかもしれませんね