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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

狭小住宅 + 高性能住宅 = 省エネ住宅 を考えよう5

2009-11-29 20:34:43 | ministock-狭小住宅・小さい家-

シリーズ化してしまったこの記事ですが、現在は諸々の計算を終えて作図作業をしています。近いうちにホームページの方でアップするお約束をしましたが、予めこの企画の意図をもう少し掘り下げてご紹介します。

現在及び将来のエネルギーコスト削減のテーマを住宅で捉えた場合、熱損失係数を良くする事が方法の一つとなります。

熱損失の計算は、屋根、天井、壁、床、基礎、開口部の熱貫流率が大切になりますが、屋根、天井、壁、床、基礎については、断熱材の性能の良いものがある程度一般流通しているので内部結露の検討を間違わなければ、大きなコストを掛けることなく性能を良くできます。

そして、住宅での結露と言うと窓回りを連想されると思いますが、その通りでつまり一番熱損失の大きいところです。私の勝手なイメージで、現在一般的なサッシと言えばアルミ樹脂複合型のペアガラスサッシだと思います。ただし、一般的でもありますが、最低ラインでもあります。だから、サッシ枠を木製や樹脂、ガラスをトリプルガラスなどにすると熱損失係数を良くする事が出来ます。

また、トータルで住宅の性能を考えた場合、断熱材の熱伝導率をより良くしたり、厚くしたり、熱交換型の換気扇を入れる事でさらに熱損失係数を良くする事が出来るわけですが、これらはすべてコストが上がります。

話を戻しますが、もう一つ熱損失量を下げる方法があります。

家全体の換気量を下げる事です。

外から新鮮な空気を取り入れる量(家から出す量)が少なければ、それを改めて冷やしたり温めたりする必要がない訳ですから単純です。

ただし、建築基準法で家全体の換気量は、気積(容積)の0.5回を1時間当たりの換気量と定めているのでこの回数を減らすことはできません。

だから、「だったら」と言う事になっちゃいますが、気積を減らせば換気量を減らす事が出来るんです。そして、熱損失量を減らす事が出来るんです。そこには、コストがかかりません。寧ろ、コストを下げています。

つまり、小さい家。

いや、すごく小さい家です。

面積の小さい家、天井の低い家。

これを設計して、

必要な大きさを満たす家と、必要な高さと開放的な高さを持つ家にします。

数値で何をしなければいけないかが分かりました。

どんなプランにするべきか。

日本の住宅事情と家族。

次回の記事で私の考えをご紹介します。


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先日はどうも~。 (ほのお)
2009-12-01 13:44:53
先日はどうも~。

この「狭小住宅 + 高性能住宅」のコンセプトは大いに同感です。

娘が幼稚園だったころ、絵本は身近なものでしたが、その中のバージニア・リー・バートン 石井桃子訳の「ちいさいおうち」という絵本を読んでから、コンパクトでも想い詰まったしっかりした家は、時代と言う荒波にもまれても住人から愛され素敵な空間を提供してくれると感じました。

時代の節目にいた著名な建築家は、その時代にふさわしい狭小住宅を発表してますよね。そんな狭小住宅になる事を「わくわく」しながら期待してます。
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ほのお様コメントありがとうございます。 (Unknown)
2009-12-02 17:33:53
ほのお様コメントありがとうございます。
先日はこちらこそありがとうございました。
なんか素敵そうな絵本ですね。
私もそういう所から影響を受ければよかったかなぁ。
私の「家」に対する憧れのスタートはのび太の部屋の押し入れ(ドラえもんの寝床)がスタートかもしれません[E:coldsweats01]。
だから、押し入れがちょっと大きくなった程度でイメージしていて下さい。
アップ、頑張ってます[E:sign03]
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